2019年11月27日、小野薬品工業株式会社(以下、小野薬品)は、ブルトン型チロシンキナーゼ(以下、BTK)阻害剤である「チラブルチニブ塩酸塩(ONO-4059)」(以下、チラブルチニブ)について、「原発性マクログロブリン血症(以下、WM)及びリンパ形質細胞リンパ腫(以下、LPL)」の効能又は効果に係る国内製造販売承認申請を行ったことを発表した。
今回の承認申請は、未治療並びに再発又は難治性のWM及びLPL患者27例を対象にチラブルチニブを評価する多施設共同非盲検非対照国内第2相試験(ONO-4059-05)の結果に基づいている。
チラブルチニブは、2019年11月19日に、厚生労働省より「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」の効能又は効果に対して希少疾病用医薬品に指定されている。
WMおよびLPLは、悪性リンパ腫のひとつで進行が比較的遅い「低悪性度」に分類される1。日本におけるLPLの年間罹患数は約240人2、3と推計されている。WMおよびLPLの臨床経過は一般に緩徐であり、生存期間中央値は5年以上だが、既存の治療法では治癒が望めない難治性の疾患4だ。
日本では未治療並びに再発または難治性のWMおよびLPL患者において標準治療が確立されていないため、新たな治療選択肢として期待されている。
小野薬品は、2019年8月28日に「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫」に対する効能又は効果に係るチラブルチニブの国内製造販売承認申請を行っている。
出典
1.国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター
2.全国がん罹患数 2016年速報
3.Pathology International 2000;50:696–702.
4.造血器腫瘍ガイドライン 2018年版
参照元:
小野薬品工業株式会社ニュースリリース
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