・複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫患者が対象の第1/2相試験
・Iberdomide+デキサメタゾン+ダラザレックス/ベルケイド併用療法の有効性・安全性を比較検証
・全奏効率は、ダラザレックス群で35%、ベルケイド群で50%を示した
2020年12月5日~8日、オンラインミーティングで開催された第62回米国血液学会議(ASH 2020)にて複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者に対するセレブロンE3ユビキチンリガーゼモジュレーター(CELMoD)であるIberdomide(イベルドマイド、CC-220)+デキサメタゾン+抗CD38モノクローナル抗体ダラザレックス(一般名:ダラツムマブ、以下ダラザレックス)またはプロテアソーム阻害薬ベルケイド(一般名:ボルテゾミブ、以下ベルケイド)併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のCC-220-MM-001試験(NCT02773030)の結果がVU University Medical CenterのNiels W.C.J. Van De Donk氏らにより公表された。
CC-220-MM-001試験とは、複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者に対して28日を1サイクルとして1~21日目にIberdomide(CC-220)+ダラザレックス16mg/kg(1~2サイクル目は1、8、15、22日目、3~6サイクル目は1、15日目、7サイクル目以降は1日目)+1週間隔で1回デキサメタゾン併用療法を投与する群(N=19人)、または21日を1サイクルとして1~21日目にIberdomide(CC-220)+ベルケイド1.3mg/m2(1~8サイクル目は1、4、8、11日目、9サイクル目以降は1、8日目)+1週間隔で1回デキサメタゾン併用療法を投与する群(N=21人)に無作為に振り分け、主要評価項目として最大耐用量(MTD)、全奏効率(ORR)安全性などを検証した第1/2相試験である。
本試験が開始された背景として、基礎試験にてセレブロンE3ユビキチンリガーゼモジュレーター(CELMoD)であるIberdomide(CC-220)は抗CD38モノクローナル抗体ダラザレックス、プロテアソーム阻害薬であるベルケイドを併用することで相乗効果のある抗腫瘍効果が期待されている。以上の背景より、複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者に対するIberdomide(CC-220)+デキサメタゾン+抗CD38モノクローナル抗体ダラザレックスまたはプロテアソーム阻害薬ベルケイド併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。
グレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)発症率はIberdomide(CC-220)+デキサメタゾン+ダラザレックス群78%に対してIberdomide(CC-220)+デキサメタゾン+ベルケイド群65%を示した。最も多くの患者に確認されたグレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)はIberdomide(CC-220)+デキサメタゾン+ダラザレックス群で好中球減少症50%、白血球減少症22%、貧血22%、Iberdomide(CC-220)+デキサメタゾン+ベルケイド群で好中球減少症20%、血小板減少症20%を示した。
全奏効率(ORR)はIberdomide(CC-220)+デキサメタゾン+ダラザレックス群で35%を示し、奏効の内訳は部分最良奏効(VGPR)2人、部分奏効(PR)4人、病勢コントロール率(DCR)は88%を示した。また、Iberdomide(CC-220)+デキサメタゾン+ベルケイド群で50%を示し、奏効の内訳は完全奏効(CR)1人、部分最良奏効(VGPR)3人、部分奏効(PR)6人、病勢コントロール率(DCR)は85%を示した。
以上のCC-220-MM-001試験の結果よりNiels W.C.J.Van De Donk氏らは「複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者に対するセレブロンE3ユビキチンリガーゼモジュレーター(CELMoD)Iberdomide(CC-220)+デキサメタゾン+抗CD38モノクローナル抗体ダラザレックス、プロテアソーム阻害薬ベルケイドは非常に有望な抗腫瘍効果を示し、忍容性も良好でした。Iberdomide(CC-220)を用いたレジメンの開発を指示する結果となった」と結論を述べている。
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