・高リスク骨髄異形成症候群患者が対象の第2相試験
・Pevonedistat(ペボネディスタット)+アザシチジン併用療法の有効性・安全性を比較検証
・無イベント生存期間はアザシチジン単剤19.0ヵ月に対しPevonedistat+アザシチジン群16.6ヵ月で、イベントまたは死亡のリスクを33%減少した
2020年12月5日~8日、オンラインミーティングで開催された第62回米国血液学会議(ASH 2020)にて高リスク骨髄異形成症候群(MDS)患者に対するNEDD8活性化酵素(NAE)阻害薬であるPevonedistat(ペボネディスタット)+アザシチジン併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のStudy P-2001試験(NCT02610777)の結果がCleveland ClinicのMikkael A. Sekeres氏らにより公表された。
Study P-2001試験とは、高リスク骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、または低芽球比率急性骨髄性白血病患者に対して28日を1サイクルとして1、3、5日目にPevonedistat 20mg/m2+1〜5、8、9日目にアザシチジン 75mg/m2併用療法を投与する群(N=58人)、または28日を1サイクルとしてアザシチジン 75mg/m2単剤療法を投与する群(N=62人)に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無イベント生存期間(EFS)、奏効持続期間(DOR)などを検証した第2相試験である。
本試験の高リスク骨髄異形成症候群(N=67人)における結果は下記の通りである。主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はPevonedistat+アザシチジン併用群21.8ヶ月に対してアザシチジン単剤群19.0ヶ月、Pevonedistat+アザシチジン併用群で死亡(OS)のリスクを20%減少(HR:0.80、95%信頼区間:0.51-1.26,P=0.334)した。
副次評価項目である無イベント生存期間(EFS)中央値はPevonedistat+アザシチジン併用群21.0ヶ月に対してアザシチジン単剤群16.6ヶ月、Pevonedistat+アザシチジン併用群で病勢進行などのイベントまたは死亡(EFS)のリスクを33%減少(HR:0.67、95%信頼区間:0.42-1.05、P=0.076)した。
一方の安全性として、全グレードの有害事象(AE)発症率はPevonedistat+アザシチジン併用群100%(N=32/32人)に対してアザシチジン単剤群100%(N=35/35人)、グレード3以上の有害事象(AE)発症率はPevonedistat+アザシチジン併用群93.7%(N=30/32人)に対してアザシチジン単剤群82.8%(N=29/35人)、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率はPevonedistat+アザシチジン併用群68.7%(N=22/32人)に対してアザシチジン単剤群77.1%(N=27/35人)であった。
以上のStudy P-2001試験の結果よりMikkael A. Sekeres氏らは「高リスク骨髄異形成症候群(MDS)患者に対するNEDD8活性化酵素(NAE)阻害薬Pevonedistat+アザシチジン併用療法は、アザシチジン単剤療法に比べて無イベント生存期間(EFS)を改善しました」と結論を述べている。
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