・遺伝子変異量(TMB)の高い転移性乳がん患者が対象の第2相試験
・キイトルーダ単剤療法の有効性・安全性を検証
・病勢コントロール率37%、客観的奏効率21%で抗腫瘍効果を認めた
2021年4月12日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて遺伝子変異量(TMB: Tumor Mutation Burden)の高い転移性乳がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のTAPUR試験の結果がUniversity of Michigan Rogel Cancer CenterのAjjai S. Alva氏らにより公表された。
TAPUR試験とは、転移性乳がん患者に対して3週を1サイクルとしてキイトルーダ2mg/kgまたは200mg単剤療法を投与し、主要評価項目として病勢コントロール率(DCR)、客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性を検証した第2相試験である。なお、本試験に登録された28人の患者全ては遺伝子変異量(TMB)が9~37Mbであり高率であった。
本試験の結果、主要評価項目である病勢コントロール率(DCR)37%(95%信頼区間:21~50%)、客観的奏効率(ORR)21%(95%信頼区間:8~41%)をそれぞれ示した。副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は10.6週(95%信頼区間:7.7~21.1週)、全生存期間(OS)中央値は30.6週(95%信頼区間:18.3~103.3週)を示した。
一方の安全性として、5人の患者で重篤な有害事象(SAE)、またはグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)の発現が確認されている。
以上のTAPUR試験の結果よりAjjai S. Alva氏らは「遺伝子変異量(TMB)の高い転移性乳がん患者さんに対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法は、良好な抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。
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