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新規の中枢神経系原発悪性リンパ腫に対するレナリドミド+リツキサン+高用量メトトレキサート併用療法、客観的奏効率100%を示すEHA 2021

  • [公開日]2021.07.28
  • [最終更新日]2021.07.21
この記事の3つのポイント
・新規の中枢神経系原発悪性リンパ腫患者が対象の第1B/2相試験
レナリドミドリツキサンメトトレキサート併用療法の有効性安全性を検証
・レナリドミドの第2相試験推奨用量は1日1回25mgであり、客観的奏効率は100%を示した

2021年6月9日~17日、バーチャルミーティングで開催された第25回欧州血液学会議(EHA2021)にて、新規の中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)患者に対する免疫調整薬(iMids)であるレナリドミド+抗CD20モノクローナル抗体であるリツキサン(一般名:リツキシマブ、以下リツキサン)+高用量メトトレキサート(HD-MTX)併用療法の有効性、安全性を検証した第1B/2相試験(NCT04120350)の結果がPeking Union Medical College HospitalのYan Zhang氏らにより公表された。

本試験は、新規の中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)患者(N=17人)に対して28日を1サイクルとして1~14日目に1日1回レナリドミド15mg(レベル1、N=3人)、1日1回レナリドミド20mg(レベル2、N=4人)、もしくは1日1回レナリドミド25mg(レベル3、N=3人)+リツキサン375mg/m2+メトトレキサート3.5g/m2を6サイクル実施後、維持療法として28日を1サイクルとして1~21日目に1日1回レナリドミド25mgを最大2年間投与し、評価項目として用量制限毒性DLT)、第2相試験推奨用量(RPIID)を検証した多施設共同前向きの1B/2相試験である。

本試験が開始された背景として、中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)は節外性非ホジキンリンパ腫の中でも腫瘍進行が急速であり、予後が非常に不良な疾患である。本疾患に対する標準治療は高用量メトトレキサート(HD-MTX)をベースにしたレジメンであるが、約10~35%の患者で同治療に対して抵抗性を示す。以上の背景より、新規の中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)患者に対する免疫調整薬(iMids)レナリドミド+抗CD20モノクローナル抗体リツキサン+高用量メトトレキサート(HD-MTX)併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験に登録された患者の年齢中央値は60歳(32~74歳)、64.7%(N=11人)は男性であった。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

第1B相にて、用量制限毒性(DLT)を確認された患者は1人もおらず、第2相試験推奨用量(RPIID)は1日1回レナリドミド25mg(レベル3)として決定された。導入療法時点で最も多くの患者で確認されたグレード3以上の有害事象(AE)は好中球減少症41.2%、感染症5.9%、貧血5.9%、血小板減少症5.9%、急性腎障害5.9%。10%以上の患者で確認されたグレード1~2の有害事象(AE)はALT上昇47.1%、倦怠感29.1%、悪心/嘔吐23.5%、しびれ23.5%、感染症11.8%、腎障害11.8%、皮膚障害11.8%であった。

有効性評価可能で16人の患者における客観的奏効率(ORR)は100%を示し、奏効の内訳は完全奏効(CR)10人、部分奏効(PR)6人であった。フォローアップ期間中央値13.2ヶ月時点における無増悪生存期間PFS)中央値は13.3ヶ月、4人の患者で再発、2人の患者で死亡が確認されている。

以上の第1B/2相試験の結果よりYan Zhang氏らは「新規の中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)患者に対する免疫調整薬(iMids)レナリドミド+抗CD20モノクローナル抗体リツキサン+高用量メトトレキサート(HD-MTX)併用療法は非常に期待のできる抗腫瘍効果を示し、忍容性も良好でした」と結論を述べている。

PHASE IB/II STUDY OF LENALIDOMIDE, RITUXIMAB, HIGH-DOSE METHOREXATE (R2-MTX) REGIMEN, FOLLOWED BY LENALIDOMIDE MAINTAINANCE IN NEWLY DIAGNOSED PRIMARY CNS LYMPHOMA(EHA2021 Virtual,Abstract No:S223)

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