・抗PD-1抗体薬抵抗性のある進行性非小細胞肺がん患者が対象の第1相試験
・腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法+オプジーボの有効性・安全性を検証
・重篤な有害事象発症率の達成基準である17%以下を満たした
2021年8月12日、医学誌『Nature Medicine』にて抗PD-1抗体薬抵抗性のある進行性非小細胞肺がん患者に対する腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法+抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)併用療法の有効性、安全性を検証した第1相試験(NCT03215810)の結果がH. Lee Moffitt Cancer Center & Research InstituteのBenjamin C. Creelan氏らにより公表された。
本試験は、ファーストライン治療としてオプジーボ単剤療法が投与され、その後病勢進行した抗PD-1抗体薬抵抗性のある進行性非小細胞肺がん患者に対して腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法+オプジーボ併用療法を投与し、主要評価項目として安全性、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)などを検証したシングルアームの第1相試験である。
本試験が開始された背景として、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法+抗PD-1抗体薬の併用療法の有用性は、悪性黒色腫(メラノーマ)において確認されている。しかしながら、進行性非小細胞肺がんでは、本治療の有用性が検証されていない。以上の背景より、抗PD-1抗体薬抵抗性のある進行性非小細胞肺がん患者に対する腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法+抗PD-1抗体薬オプジーボの有用性を検証する目的で本試験が開始された。
本試験の結果、安全性に関する主要評価項目において、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法+オプジーボ併用療法は重篤な有害事象(SAE)発症率の達成基準である17%以下(95%信頼区間:3~29%)を満たしていた。
一方の有効性として、有効性評価が可能であった13人の患者における奏効率(ORR)は、3人の患者で奏効が、11人の患者で腫瘍縮小が確認された。なお、2人の患者で完全奏効(CR)が達成され、その奏効は1.5年続いている。
以上の第1相試験の結果よりBenjamin C. Creelan氏らは「抗PD-1抗体薬抵抗性のある進行性非小細胞肺がん患者に対する腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法+抗PD-1抗体薬オプジーボは忍容性が良好でした。本治療は新しい治療選択肢になり得る可能性が示唆されました」と結論を述べている。
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