・治療歴のあるPD-L1陽性再発/転移性子宮頸がん患者が対象の第2相試験
・Sintilimab(シンチリマブ)+Anlotinib(アンロチニブ)併用療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率は59.0%、無増悪生存期間は9.4ヶ月を示した
2022年2月22日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて治療歴のあるPD-L1陽性再発/転移性子宮頸がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるSintilimab(シンチリマブ)+チロシンキナーゼ阻害薬であるAnlotinib(アンロチニブ)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験の結果がFujian Medical University Cancer HospitalのQin Xu氏らにより公表された。
本試験は、治療歴のあるPD-L1陽性再発/転移性子宮頸がん患者に対して3週を1サイクルとして1日目にSintilimab200mg+1~14日目に1日1回Anlotinib10mgの併用療法を行い、主要評価項目として主治医評価の客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、病勢コントロール率(DCR)を検証した第2相試験である。
本試験が開始された背景として、PD-L1陽性進行性子宮頸がんに対する抗PD-1/PD-L1抗体薬、血管新生阻害薬の併用療法の有用性は検証されていない。以上の背景より、治療歴のあるPD-L1陽性再発/転移性子宮頸がんに対する抗PD-1抗体薬Sintilimab+チロシンキナーゼ阻害薬Anlotinib併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。
本試験に登録された42人の患者のうち、有効性評価対象の39人における主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は59.0%(95%信頼区間:42.1-74.4%)、病勢コントロール率(DCR)は94.9%(95%信頼区間:82.7-99.4%)を示した。
副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は9.4ヶ月(95%信頼区間:8.0-14.6ヶ月)、全生存期間(OS)は未到達であった。一方の安全性として、治療関連有害事象(TRAE)発症率は85.8%を示し、最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は甲状腺機能低下症が33.3%、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼレベルの上昇が21.4%、高血圧が19.0%であった。
以上の第2相試験の結果よりQin Xu氏らは「治療歴のあるPD-L1陽性再発/転移性子宮頸がん患者に対する抗PD-1抗体薬Sintilimab+チロシンキナーゼ阻害薬Anlotinib併用療法は、良好な抗腫瘍効果を示し、忍容性も問題ありませんでした」と結論を述べている。
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