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多発性骨髄腫の新薬エンプリシティ(エロツズマブ)について

  • [公開日]2016.11.29
  • [最終更新日]2017.09.24

多発性骨髄腫は骨髄中にある形質細胞の異常により引き起こされる血液がんの一種で、日本国内における総患者数は約 18,000 人と報告されている。

過去10年、多発性骨髄腫はサレド、レブラミド、ベルケイドなどの新薬の発売により予後の改善が見られようになってきたが、これら新規薬剤をもってしても未だに治癒するまでには至ってない。

特に、”再発難治性”と言われる病態における多発性骨髄腫の予後は悪い。

このことから、多発性骨髄腫に対する新たな治療薬の開発が期待されていたが、2016年9月9日に多発性骨髄腫の新薬エロツズマブが発売となった。

エロツズマブは、レブラミドやベルケイドと併用しての治療法が期待され、国内に先駆けて発売された海外では既にその治療効果の高さが証明されている。

海外に続いて国内においても、エロツズマブが再発難治性多発性骨髄腫の救世主となることに期待したい。

目次

エンプリシティの製品情報

製品名

エンプリシティ

一般名

エロツムマブ

作用機序

エロツズマブは骨髄腫細胞膜上のSLAMF7に結合し,Fc受容体を介したナチュラルキラー(NK)細胞との相互作用により抗体依存性細胞傷害(ADCC)を誘導することにより,腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられる。また,エロツズマブはNK細胞発現するSLAMF7との結合によりNK細胞を直接活性化する作用を有することが報告されている。

用法用量

レナリドミド及びデキサメタゾンとの併用において,通常,成人にはエロツズマブ(遺伝子組換え)として 1 回10mg/kgを点滴静注する。28日間を 1 サイクルとし,最初の 2 サイクルは 1 週間間隔で 4 回( 1 , 8 ,15,22日目), 3 サイクル以降は 2 週間間隔で 2 回( 1 ,15日目)点滴静注する。

効果効能

再発又は難治性の多発性骨髄腫

主な副作用

疲労、好中球減少、下痢、血小板減少、筋痙縮、不眠症、貧血、便秘、末梢性浮腫、高血糖、発熱、悪心、無力症

エンプリシティの最新文献

・2015年11月15日
Elotuzumab in combination with lenalidomide and dexamethasone in patients with relapsed multiple myeloma: final phase 2 results from the randomised, open-label, phase 1b–2 dose-escalation study
・2015年8月13日
Elotuzumab Therapy for Relapsed or Refractory Multiple Myeloma

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