・切除不能な局所進行または転移性HER2陰性の胃/食道胃接合部がん患者が対象の第3相試験
・ファーストライン治療としての化学療法後の維持療法としてのバベンチオ単剤療法の有効性・安全性を比較検証
・全生存期間は標準化学療法群に比べてバベンチオ単剤群で死亡リスクを9%減少するも、統計学有意な改善は示さず
2019年11月8日、ファイザー社のプレスリリースにて、切除不能な局所進行または転移性HER2陰性の胃/食道胃接合部がん患者に対するファーストライン治療としての白金製剤を含む化学療法後の維持療法としての抗PD‐L1抗体薬であるアベルマブ(商品名バベンチオ;以下バベンチオ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のJAVELIN Gastric 100試験の主要評価項目の結果が公表された。
本試験は、切除不能な局所進行または転移性HER2陰性の胃/食道胃接合部がん患者に対するファーストライン治療としての白金製剤を含む化学療法後、維持療法としてバベンチオ単剤療法を病勢進行するまで継続投与する群、または同じ化学療法をを病勢進行するまで継続投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として全患者群における全生存期間(OS)、PD-L1陽性(1%以上として定義)患者群における全生存期間(OS)を比較検証した国際多施設共同オープンラベルの第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である全患者群における全生存期間(OS)は標準化学療法群に比べてバベンチオ単剤群で死亡(OS)のリスクを9%(HR: 0.91,95%信頼区間:0.74-1.11)減少するも、統計学有意な改善は示さなかった。また、PD-L1陽性患者群における全生存期間(OS)は標準化学療法群に比べてバベンチオ単剤群で死亡(OS)のリスクを13%(HR: 1.13,95%信頼区間:0.57-2.23)増加し、統計学有意な改善は示さなかった。
一方の安全性として、バベンチオ群の安全性プロファイルは既存の臨床試験で確認されている内容と一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。
以上のJAVELIN Gastric 100試験の主要評価項目の結果より、本試験のリード治験医師であるJohannes-Gutenberg UniversityのMarkus Möhler氏は以下のようにコメントを述べている。”切除不能局所進行/転移性胃/食道胃接合部がんの治療選択肢は非常に限られており、今日まで、標準治療薬に対する優越性を示した免疫チェックポイント阻害薬はありません。本試験で得られて知見をもとに、切除不能局所進行/転移性胃/食道胃接合部がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の可能性を引き続き検証してまいります。”
参照元:ファイザー社プレスリリース
この記事に利益相反はありません。