「個人情報保護方針」及び「個人情報の取扱いについて」改訂のお知らせ

進行性肝細胞がん患者に対するオプジーボ+カボザンチニブ+ヤーボイ併用療法、客観的奏効率26%を示すASCO GI 2020

  • [公開日]2020.02.03
  • [最終更新日]2020.01.28
この記事の3つのポイント
・進行性肝細胞がん患者が対象の第1/2相試験
オプジーボ+カボザンチニブ±ヤーボイ併用療法有効性安全性の比較検証
・客観的奏効率はトリプレット療法で26%を示し、無増悪生存期間中央値は6.8ヶ月だった

2020年1月23日(木)~25日(土)に米国・サンフランシスコにて開催された米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(2020 Gastrointestinal Cancers Symposium)にて、進行性肝細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+カボザンチニブ±抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)併用療法の有効性、安全性の比較検証した第1/2相のCheckMate040試験(NCT01658878)の結果がUniversity of Hong KongのThomas Yau氏らにより公表された。

本試験は、進行性肝細胞がん患者(N=71人)に対して2週を1サイクルとしてオプジーボ240mg+1日1回カボザンチニブ40mg併用療法を投与する群(N=36人)、または2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg+1日1回カボザンチニブ40mg+6週を1サイクルとしてヤーボイ1mg/kg併用療法を投与する群(N=35人)に無作為に振り分け、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として病勢コントロール率、無増悪生存期間(PFS)などを比較検証した第1/2相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)はオプジーボ+カボザンチニブ併用群17%に対してオプジーボ+カボザンチニブ+ヤーボイ併用群26%を示した。副次評価項目である病勢コントロール率はオプジーボ+カボザンチニブ併用群81%に対してオプジーボ+カボザンチニブ+ヤーボイ併用群83%を示した。

また、無増悪生存期間(PFS)中央値はオプジーボ+カボザンチニブ併用群5.5ヶ月に対してオプジーボ+カボザンチニブ+ヤーボイ併用群6.8ヶ月、全生存期間OS)中央値はオプジーボ+カボザンチニブ併用群、オプジーボ+カボザンチニブ+ヤーボイ併用群ともに未到達であった。

一方の安全性として、グレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)はオプジーボ+カボザンチニブ併用群42%に対してオプジーボ+カボザンチニブ+ヤーボイ併用群71%を示した。また、治療関連有害事象(TRAE)により治療中止率はオプジーボ+カボザンチニブ併用群3%に対してオプジーボ+カボザンチニブ+ヤーボイ併用群20%を示した。

以上のCheckMate040試験の結果よりThomas Yau氏らは以下のように結論を述べている。”進行性肝細胞がん患者に対するトリプレット療法である抗PD-1抗体薬オプジーボ+カボザンチニブ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法は、タブレット療法に比べて臨床的意義のある抗腫瘍効果を示しました。また、治療関連有害事象(TRAE)はトリプレット療法で発現率が高かったですが、大半の有害事象(AE)は管理可能でした。”

Nivolumab (NIVO) + ipilimumab (IPI) + cabozantinib (CABO) combination therapy in patients (pts) with advanced hepatocellular carcinoma (aHCC): Results from CheckMate 040.(J Clin Oncol 38, 2020 (suppl 4; abstr 478))

×

リサーチのお願い

この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン