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転移性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としてのオプジーボ+ヤーボイ+化学療法、全生存期間を有意に改善ASCO 2020

  • [公開日]2020.06.01
  • [最終更新日]2020.11.25
この記事の3つのポイント
転移性非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験
ファーストライン治療としてのオプジーボ+ヤーボイ+化学療法有効性安全性を比較検証
・フォローアップ期間中央値12.7ヶ月時点で、化学療法に比べて死亡のリスクを34%改善した

2020年5月29日~31日、バーチャルミーティングで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2020)にて転移性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCheckMate-9LA試験の3年長期フォローアップの結果がGerman Center of Lung ResearchのMartin Reck氏らにより公表された。

CheckMate-9LA試験とは、転移性非小細胞肺がん患者に対して3週を1サイクルとしてオプジーボ360mg+6週を1サイクルとしてヤーボイ1mg/kg+化学療法(最大2サイクル)を投与する群、または化学療法(最大4サイクル)を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間OS)、副次評価項目として無増悪生存期間PFS)、客観的奏効率ORR)を比較検証した多施設共同非盲検下の第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値8.1ヶ月時点の中間解析の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)は化学療法に比べてオプジーボ+ヤーボイ+化学療法で死亡(OS)のリスクを31%(HR:0.69,96.71%信頼区間:0.55-0.87,p=0.0006)改善した。また、フォローアップ期間中央値12.7ヶ月時点の結果、全生存期間(OS)中央値はオプジーボ+ヤーボイ+化学療法群15.6ヶ月に対して化学療法群10.9ヶ月、オプジーボ+ヤーボイ+化学療法で死亡(OS)のリスクを34%(HR:0.66,95%信頼区間:0.55-0.80)改善した。

一方の安全性として、オプジーボ+ヤーボイ+化学療法の安全性プロファイルは既存の臨床試験で確認されている内容と一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。

以上のCheckMate-9LA試験の結果よりMartin Reck氏らは以下のように結論を述べている。”転移性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイは、化学療法に追加することにより全生存期間(OS)を改善することが確認されました。”

Nivolumab (NIVO) + ipilimumab (IPI) + 2 cycles of platinum-doublet chemotherapy (chemo) vs 4 cycles chemo as first-line (1L) treatment (tx) for stage IV/recurrent non-small cell lung cancer (NSCLC): CheckMate 9LA.(2020 ASCO VIRTUAL SCIENTIFIC PROGRAM,Abstract No:9501)

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