・未治療の進展型小細胞肺がん患者が対象の第3相試験
・テセントリク+カルボプラチン+エトポシド併用療法の有効性・安全性を比較検証
・全生存期間12.3ヶ月であり、プラセボ群と比較して統計学的有意に延長した
2021年1月13日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて進展型小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬であるテセントリク(一般名:アテゾリズマブ、テセントリク)+カルボプラチン+エトポシドの有効性、安全性を比較検証した第3相のIMpower133試験(NCT02763579)のアップデート解析の結果がLombardi Comprehensive Cancer CenterのStephen V. Liu氏らにより公表された。
IMpower133試験とは、進展型小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療として21日を1サイクルとして1日目にテセントリク1200mg+カルボプラチンAUC 5mg/mL/min+1~3日目にエトポシド100mg/m2併用療法を4サイクル投与し、維持療法としてテセントリク単剤療法を投与する群(N=201人)と、プラセボ+1日目にカルボプラチンAUC 5mg/mL/min+1~3日目にエトポシド100mg/m2併用療法を4サイクル投与し、維持療法としてプラセボ療法を投与する群(N=202人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として主治医評価による無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を比較検証した二重盲検プラセボ対照の第3相試験である。
本試験のアップデート解析の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はテセントリク+カルボプラチン+エトポシド併用群の12.3ヶ月に対してプラセボ+カルボプラチン+エトポシド併用群で10.3ヶ月と、テセントリク+カルボプラチン+エトポシド併用群で死亡(OS)のリスクを24%減少(HR:0.76、95%信頼区間:0.60-0.95、P=0.0154)を示した。18ヶ月全生存率(OS)はテセントリク+カルボプラチン+エトポシド併用群の34.0%に対してプラセボ+カルボプラチン+エトポシド併用群で21.0%を示した。
以上のIMpower133試験のアップデート解析の結果よりStephen V. Liu氏らは「進展型小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬テセントリク+カルボプラチン+エトポシド併用療法は、継続的に全生存期間(OS)を改善し、容認性も示されました。このレジメンが新たな標準治療であることが確認されました」と結論を述べている。
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