・治療歴のある進行性扁平上皮/非扁平上皮非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験のフォローアップ解析
・オプジーボ単剤療法の有効性・安全性をドセタキセル単剤療法と比較検証
・5年生存率はオプジーボの13.4%に対してドセタキセルで2.6%と改善を示す
2021年1月15日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて治療歴のある進行性扁平上皮/非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)単剤療法の有効性、安全性をドセタキセル単剤療法と比較検証した第3相のCheckMate017試験、CheckMate057試験の5年長期フォローアップ解析の結果がFox Chase Cancer CenterのHossein Borghaei氏らにより公表された。
CheckMate017/CheckMate057試験とは、治療歴のある進行性扁平上皮/非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対して2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を投与する群、または3週を1サイクルとしてドセタキセル75mg/m2単剤療法を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、安全性などを比較検証した第3相試験である。
本試験の5年長期フォローアップ解析が実施された背景として、治療歴のある進行性扁平上皮/非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対するオプジーボ単剤療法は、ドセタキセル単剤療法に比べて全生存期間(OS)を改善し、安全性も良好であることが前回の解析時点で公表されている。以上の背景より、CheckMate017試験、CheckMate057試験の5年長期フォローアップ解析の結果が公表された。
本試験のフォローアップ期間中央値64.2ヵ月(CheckMate017試験)/64.5ヵ月(CheckMate057試験)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である5年全生存率(OS)はオプジーボ単剤群の13.4%に対してドセタキセル単剤群で2.6%を示した。また、副次評価項目である5年無増悪生存率(PFS)はオプジーボ単剤群の8.0%に対してドセタキセル単剤群で0%を示した。
一方の安全性として、治療期間3~5年のオプジーボ単剤群における全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は25.8%、グレード3の治療関連有害事象(TRAE)発症率は3.2%、グレード4の治療関連有害事象(TRAE)の発症はなかった。
以上のCheckMate017試験、CheckMate057試験の5年長期フォローアップ解析の結果よりHossein Borghaei氏らは「治療歴のある進行性扁平上皮/非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法は、ドセタキセル単剤療法に比べて治療期間5年時点でも継続して全生存期間(OS)の改善傾向を示しました。安全性では新たなものは認められませんでした」と結論を述べている。
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