・抗PD-1/PD-L1抗体薬後に病勢進行した進行性悪性黒色腫患者が対象の第2相試験のアップデート解析結果
・レンビマ+キイトルーダ併用療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率21.4%であり、3名が完全奏効を認めた
2021年6月4日(金)~8日(火)オンラインミーティングで開催された第57回米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)にて抗PD-1/PD-L1抗体薬後に病勢進行した進行性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対するマルチキナーゼ阻害薬レンビマ(一般名:レンバチニブ、以下レンビマ)+抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のLEAP-004試験(NCT03776136)のアップデート解析の結果がHospital Clinic BarcelonaのAna Maria Arance氏らにより公表された。
LEAP-004試験は、抗PD-1/PD-L1抗体薬後に病勢進行した進行性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対して1日1回レンビマ20mg+3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg併用療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として盲検独立中央判定(BICR)により客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、奏効持続期間(DOR)、全生存期間(OS)、安全性などを検証した第2相試験である。
本試験に登録された103人の年齢中央値63歳。進行病期はステージM1c/M1dが68.0%。前治療歴2レジメン以上は58.3%。前治療歴としてBRAF阻害薬、MEK阻害薬歴は32.0%。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。
フォローアップ期間中央値15.3ヶ月時点における結果は、主要評価項目である盲検独立中央判定(BICR)により客観的奏効率(ORR)21.4%(95%信頼区間:13.9%-30.5%)を示し、完全奏効(CR)は3名であった。なお、病勢コントロール率(DCR)66.0%を示した。
副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は4.2ヶ月(95%信頼区間:3.8-7.1ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は14.0ヶ月(95%信頼区間:10.8ヶ月-未到達)を示した。12ヶ月無増悪生存率(PFS)は17.8%、12ヶ月全生存率(OS)は54.5%をそれぞれ示した。
一方の安全性として、全グレードの有害事象(AE)発症率は96.1%、グレード3~4の有害事象(AE)発症率は45.6%、グレー5の有害事象(AE)発症率は1.0%、有害事象(AE)による治療中止率は7.8%を示した。
以上のLEAP-004試験のアップデート解析の結果よりAna Maria Arance氏らは「抗PD-1/PD-L1抗体薬後に病勢進行した進行性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対するマルチキナーゼ阻害薬レンビマ+抗PD-1抗体薬キイトルーダ併用療法は、持続的で良好な抗腫瘍効果を示しました。アンメットニーズの高い疾患に対するレジメンとしてのマルチキナーゼ阻害薬レンビマ+抗PD-1抗体薬キイトルーダ併用療法の可能性を支持するものでした」と結論を述べている。
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