・慢性リンパ性白血病患者が対象の第2相試験
・ファーストライン治療としてのイムブルビカ+ベネクレクスタ併用療法の有効性・安全性を検証
・全患者における完全奏効率は55%、客観的奏効率は96%を示した
2021年6月4日~8日、オンラインミーティングで開催された第57回米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)にて慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するファーストライン治療としてのBTK阻害薬であるイムブルビカ(一般名:イブルチニブ、以下イムブルビカ)+BCL-2阻害薬であるベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス、以下ベネクレクスタ)併用療法の有効性を検証した第2相のCAPTIVATE試験(NCT02910583)の結果がUniversità Vita-Salute San RaffaeleのPaolo Ghia氏らにより公表された。
CAPTIVATE試験とは、慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者(N=159人)に対するファーストライン治療として28日を1サイクルとして1日1回イムブルビカ420mg単剤療法を3サイクル投与後、1日1回イムブルビカ420mg+ベネトクラクス20mg~400mg併用療法を12サイクル以上投与し、主要評価項目として完全奏効率(CR)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)などを検証した多施設共同の第2相試験である。
本試験に登録された患者の年齢中央値は60歳。遺伝子異常はdel(17p)/TP53が17%、del(11q)が18%、complex karyotypeで19%、unmutated IGHVで56%。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。
主要評価項目である全患者群(N=159人)における完全奏効率(CR)は55%(95%信頼区間:48%~63%)を示した。完全奏効(CR)を達成した88人の患者のうち78人は1年以上の完全奏効(CR)を継続した。副次評価項目である客観的奏効率(ORR)は96%(N=153人)を示した。24ヶ月無増悪生存率(PFS)は95%(95%信頼区間:90%~97%)、24ヶ月全生存率(OS)は98%(95%信頼区間:94%~99%)をそれぞれ示した。
また、del(11q)を除いた患者群(N=136人)における完全奏効率(CR)は56%を示した。副次評価項目である客観的奏効率(ORR)は96%(N=130人)を示した。24ヶ月無増悪生存率(PFS)は96%(95%信頼区間:91%~98%)、24ヶ月全生存率(OS)は98%(95%信頼区間:93%~99%)をそれぞれ示した。
一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3~4の有害事象(AE)は好中球減少症33%、高血圧6%、好中球数減少5%であった。
以上のCAPTIVATE試験の結果よりPaolo Ghia氏らは「慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するファーストライン治療としてのBTK阻害薬イムブルビカ+BCL-2阻害薬ベネクレクスタ併用療法は、持続的で良好な抗腫瘍効果を示しました。また、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなく、既存の安全性プロファイルと一致しておりました」と結論を述べている。
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