・切除可能局所進行性(ステージIIIA)非小細胞肺がん患者が対象の第2相試験
・術前化学療法としてオプジーボ+パクリタキセル+カルボプラチン併用療法の有効性・安全性を検証
・36ヶ月全生存率(OS)は81.9%であり、治療前の血中循環腫瘍DNAが低率の群において無増悪生存期間と全生存期間の改善を認めた
5月16日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて切除可能局所進行性(ステージIIIA)非小細胞肺がん患者に対する術前化学療法としての抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)+パクリタキセル+カルボプラチンの有効性、安全性を検証した第2相のNADIM試験(NCT03081689)の結果がHospital Universitario Puerta de HierroのMariano Provencio氏らにより公表された。
NADIM試験とは、局所進行性(ステージIIIA)非小細胞肺がん患者(N=46人)に対して、21日1サイクルでオプジーボ360mg+パクリタキセル200mg/m2+カルボプラチンAUC6mg/mL併用療法を3サイクル実施し、術後化学療法として2週1サイクルでオプジーボ240mg単剤療法を4ヵ月、4週1サイクルでオプジーボ480mg単剤療法を8ヵ月実施し、主要評価項目として24ヵ月無増悪生存率(PFS)、副次評価項目として36ヶ月全生存率(OS)などを検証した多施設共同オープンラベルシングルアームの第2相試験である。
本試験の結果、副次評価項目である全患者群における36ヶ月全生存率(OS)は81.9%(95%信頼区間:66.8-90.6%)を示した。なお、遺伝子変異量(TMB)、PD-L1発現率は全生存期間(OS)に関する予測マーカーにはならなかった。
一方、治療開始前の血中循環腫瘍DNA(ctDNA)が低率である場合、無増悪生存期間(PFS)を改善し、病勢進行または死亡(PFS)のリスクを80%減少(HR:0.20、95%信頼区間:0.06-0.63)するとともに、全生存期間(OS)も改善を示し、死亡(OS)のリスクを93%減少(HR:0.07、95%信頼区間:0.01-0.39)した。
以上のNADIM試験の結果よりMariano Provencio氏らは「切除可能局所進行性(ステージIIIA)非小細胞肺がん患者に対する術前化学療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+パクリタキセル+カルボプラチンは3年全生存率(OS)を改善しました。また、血中循環腫瘍DNA(ctDNA)レベルは全生存期間(OS)の改善効果に関連していることが示されました」と結論を述べている。
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