・EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失型/エクソンL858R変異型)を有する
局所進行性/転移性非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験
・一次治療としてのAumolertinib(アウモレルチニブ)単剤療法の有効性・安全性をゲフィチニブと比較検証
・無増悪生存期間は19.3ヶ月であり、ゲフィチニブ(9.9ヶ月)単剤療法に対して延長した
5月17日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてEGFR遺伝子変異(エクソン19欠失型もしくはエクソンL858R変異型)を有するの局所進行性/転移性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるAumolertinib(アウモレルチニブ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のAENEAS試験(NCT03849768)の結果がShanghai Chest HospitalのShun Lu氏らにより公表された。
AENEAS試験は、EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失型もしくはエクソンL858R変異型)の局所進行性/転移性非小細胞肺がん患者(N=429人)に対するファーストライン治療として、1日1回Aumolertinib110mg単剤療法を投与する群、または1日1回ゲフィチニブ250mg単剤療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)を比較検証した二重盲検下の第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は、Aumolertinib単剤群の19.3ヶ月(95%信頼区間:17.8-20.8ヶ月)に対してゲフィチニブ単剤群で9.9ヶ月(95%信頼区間:8.3-12.6ヶ月)と、ゲフィチニブ単剤群に比べてAumolertinib単剤群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを54%減少(HR:0.46、95%信頼区間:0.36-0.60、P<0.001)した。
副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はAumolertinib単剤群の73.8%に対してゲフィチニブ単剤群で72.1%、病勢コントロール率(DCR)はAumolertinib単剤群の93.0%に対してゲフィチニブ単剤群で96.7%をそれぞれ示した。奏効持続期間(DOR)中央値はAumolertinib単剤群の18.1ヶ月(95%信頼区間:15.2ヶ月-未到達)に対してゲフィチニブ単剤群で8.3ヶ月(95%信頼区間:6.9-11.1ヶ月)を示した。
一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)発症率はAumolertinib単剤群の36.4%に対してゲフィチニブ単剤群で35.8%を示した。また、全グレードの皮膚障害の発症率はAumolertinib単剤群の23.4%に対してゲフィチニブ単剤群で41.4%、下痢はAumolertinib単剤群の16.4%に対してゲフィチニブ単剤群で35.8%を示した。
以上のAENEAS試験の結果よりShun Lu氏らは「EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失型もしくはエクソンL858R変異型)の局所進行性/転移性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬Aumolertinib単剤療法は、本疾患の治療選択肢になり得る可能性が示唆されました」と結論を述べている。
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