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PI3K阻害薬コパンリシブ、再発難治性濾胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫患者に対する有効性がFDAより認められる

  • [公開日]2017.10.25
  • [最終更新日]2019.12.19

2017年10月4日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』において再発または難治性濾胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫に対するクラス I ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)阻害薬であるコパンリシブ(商品名ALIQOPA;以下ALIQOPA)の有効性を検証した第II相のCHRONOS-1試験(NCT01660451)の結果が掲載された。

本試験は、少なくとも2レジメン以上の治療を受けた再発または難治性濾胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫患者(N=142人)に対して28日を1サイクルとしてALIQOPA60mgを1日目、8日目、15日目に投与し、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)、副次評価項目である奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、そして安全性を検証した国際多施設共同のオープンラベルの第II相試験である。

本試験に登録された患者背景は、年齢中央値63歳(25歳から82歳)、男女比1:1、白人が85%を占めている。また、前治療歴中央値は3レジメン(2から9レジメン)、Ann Arbor分類による病期(ステージ)はIII、IVの患者が約80%以上占めていた。

本試験の結果としては、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は59%(N=84人)の患者で確認された。また、奏効を示した患者の内12% (N=17人)で完全奏効(CR)、47%(N=67人)で部分奏効(PR)を達成した。また、副次評価項目である奏効期間(DOR)中央値は22.6ヶ月、無増悪生存期間(PFS)中央値は11.2ヶ月、全生存期間(OS)中央値は未到達であった。

安全性としては、最も一般的に発症した有害事象としては50%の患者で高血糖、30%の患者で高血圧であった。グレード3以上の有害事象としては好中球数減少が24%、肺炎が15%であった。

以上の臨床試験の有効性、安全性の結果を受けて、2017年9月14日、ALIQOPAは二次治療後の再発濾胞性リンパ腫の治療薬として米国食品医薬品局(FDA) より承認されたことを開発元であるバイエル社が自社のプレスリリースで公表した。

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