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切除不能肝細胞がん患者に対するレンビマ+キイトルーダ併用療法、客観的奏効率(ORR)46%を示す米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)より

  • [公開日]2018.06.11
  • [最終更新日]2018.06.11
この記事の3つのポイント
標準治療が不適格な切除不能肝細胞がん患者に対するレンビマ+キイトルーダ併用療法、用量制限毒性DLT)は確認されなかった
・切除不能肝細胞がん患者に対するレンビマ+キイトルーダ併用療法の客観的奏効率ORR)は46%を示した
・レンビマ+キイトルーダ併用療法の主な治療関連有害事象(TRAE)は食欲減退56%、高血圧56%であった

2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、切除不能肝細胞がん患者に対するマルチキナーゼ阻害薬であるレンバチニブ(商品名レンビマ;以下レンビマ)+抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)併用療法の安全性有効性を検証した第Ib相試験(NCT03006926)の結果が国立がん研究センター東病院・池田公史氏らにより公表された。

本試験は、BCLC(バルセロナ臨床肝がん病期分類ステージBまたはCでChild-Pugh分類AでECOG Performance Statusスコアが1以下の切除不能肝細胞がん患者(N=18人,パート1=6人+パート2=12人)を対象に、パート1では標準治療が不適格な患者に対して1日1回レンビマ8~12mg+3週間に1回キイトルーダ200mg併用療法を投与し1サイクル目に発現する用量制限毒性(DLT)を確認し、忍容性の確認ができた場合にパート2では全身療法治療歴のない患者に対してパート1と同様の投与スケジュールでレンビマ+キイトルーダ併用療法を投与し、主要評価項目として安全性、副次評価項目として完全奏効(CR)または部分奏効(PR)を達成した患者割合として定義された客観的奏効率(ORR)などを検証した多施設共同非盲検下の第Ib相試験である。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。BCLCステージはBが6人、Cが12人。Child-Pughスコアは5が14人、6が4人。ソラフェニブ(商品名ネクサバール)の前治療歴ありが22%(N=4人)。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である用量制限毒性(DLT)はパート1に登録された患者では確認されなかった。なお、最も一般的な治療関連有害事象(TRAE)は94%(N=17人)の患者で確認され、その主な治療関連有害事象(TRAE)は食欲減退56%、高血圧56%であった。

また、副次評価項目である客観的奏効率(ORR)は部分奏効(PR)は全患者群で46%(N=6人)、パート1で67%(N=4人)、パート2で29%(N=2人)、病勢安定は全患者群で46%(N=6人)、パート1で33%(N=2人)、パート2で57%(N=4人)、病勢進行(PD)は全患者群で0%、パート1で0%、パート2で0%であった。

以上の第Ib相試験の結果より池田公史氏らは下記のように結論を述べている。”切除不能肝細胞がん患者に対するレンビマ+キイトルーダ併用療法は忍容性があり、抗腫瘍効果も良好でした。”

A phase 1b trial of lenvatinib (LEN) plus pembrolizumab (PEM) in patients (pts) with unresectable hepatocellular carcinoma (uHCC).(ASCO 2018, Abstract No.4076)

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