・未治療のHER2陰性進行性胃がんまたは食道胃接合部がん患者に対する第3相のGAMMA-1試験
・ファーストライン治療としてのAndecaliximab+mFOLFOX6併用療法の有効性を比較検証
・Andecaliximabの上乗せしても全生存期間を改善しなかった
2019年1月17日~1月19日に米国・サンフランシスコで開催された消化器がんシンポジウム(ASCO GI 2019)にて未治療のHER2陰性進行性胃がんまたは食道胃接合部がん患者に対するファーストライン治療としての抗マトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)9抗体薬であるAndecaliximab+mFOLFOX6併用療法の有効性を比較検証した第3相のGAMMA-1試験(NCT02545504)結果がWeill Cornell Medicine/New York Presbyterian HospitalのManish A. Shah氏らにより公表された。
GAMMA-1試験とは、未治療のHER2陰性進行性胃がんまたは食道胃接合部がん患者(N=432人)に対して28日を1サイクルとして1、15日目にAndecaliximab 800mg+mFOLFOX6併用療法を投与する群(N=218人)、または28日を1サイクルとして1、15日目にプラセボ+mFOLFOX6併用療法を投与する群(N=214人)に1対1の割合で無作為化に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、奏効率、安全性などを比較検証したランダム化二重盲検下多施設共同の第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はAndecaliximab群12.5ヶ月(95%信頼区間:11.2-14.0ヶ月)に対してプラセボ群11.8ヶ月(95%信頼区間:10.3-13.5ヶ月)、Andecaliximab群で死亡(OS)のリスクを7%減少(HR:0.93,95%信頼区間:0.74-1.18,P=0.56)するも両群間で統計学的有意な差は確認されなかった。
副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はAndecaliximab群7.5ヶ月に対してプラセボ群7.1ヶ月、Andecaliximab群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを16%減少(HR:0.84,95%信頼区間:0.672-1.038,P=0.10)、主治医判定による客観的奏効率(ORR)はAndecaliximab群50.5%に対してプラセボ群41.1%(P=0.049)を示した。
一方の安全性として、両群間の安全性プロファイルにおいて臨床的意義のある大きな差は確認されなかった。なお、最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は吐き気、下痢、好中球減少症、倦怠感であった。
以上のGAMMA-1試験の結果よりManish A. Shah氏らは以下のように結論jを述べている。”未治療のHER2陰性進行性胃がんまたは食道胃接合部がん患者に対するファーストライン治療として、mFOLFOX6療法に抗マトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)9抗体薬であるAndecaliximabの上乗せしても全生存期間(OS)を改善しませんでした。”
この記事に利益相反はありません。