オンコロの高橋です。
普段はオンコロ問い合わせ窓口にてお電話やメールでの問い合わせを受けています。
唐突ですが少し思い出話をしようかと思います。
それはまだわたしが学生だった頃、何度か矯正施設(刑務所など)に十数名で見学に行きました。とある施設の所内見学の後、講堂のような場所で説明や質疑応答をしていただきました。そこは大きな矯正施設でしたので、医療設備も比較的充実しており、他の施設だと対応が難しい長期療養が必要な方もいるという説明でした。
そこで、誰かが質問しました。
「がんとか、心臓病とか、大きな病気になった場合も対応してくれるのですか」と。
その場合、緊急性が高い場合は近隣の病院に運ぶこともあるが、医療専門施設に運ぶこともあるという回答でした。医療専門施設に見学に行ったことはありませんが、一般の病院並みの設備であり、手術も可能です。
ここで、今になってふと思いました。今はがん治療の選択肢が多いです。特に化学療法は細胞障害性抗がん剤や分子標的薬、最近では免疫チェックポイント阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬と細胞障害性抗がん剤の併用療法…これらの一体どこまでを行ってくれるのだろうか、と。
学生時代はがん治療にあまり興味はなかったので、この辺りは疑問に思いませんでしたが、今になって強烈に気になってきました。
そこで、調べてみました。
結論から言うと、あまり高価な薬は患者さんが希望しても使わないことが多いそうです。医療費は全額国費で賄われるため、予算に限りがあります。そして、高齢入所者が増加していることもあり、医療費が増加、ジェネリックで賄える医薬品はジェネリック薬を使用するなどの節約も行われている状況です。さらに、医師不足という背景もあり外部の病院に処置を頼まざるを得ない場合が増えていることも、医療費の増加に拍車をかけています。
2人に1人ががんになるといわれている時代、普段気に留めない場所においてもそれは同じです。
ただ、そこを取り巻く状況や環境は各々異なります。
それをお伝えできればな、と思い記しました。
高橋ミカ
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