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【オンコロメルマガ】SNSで拡散するコロナに関する不確かな薬剤情報[vol.226]

  • [公開日]2021.08.25
  • [最終更新日]2021.08.25

こんにちは。オンコロの茂木です。オンコロ(と、姉妹サイトのレアズ)のSNS更新の一部を担当しています。

最近、Twitterのタイムラインで新型コロナウイルス感染症の治療薬に関する不確かな情報が流れているのを目にしましたので、注意喚起の意味も込めて本日のコラムを記したいと思います。

その情報とは、「サナダムシ駆除薬がコロナに効く」といったもので、もともとの情報ソースは昨年7月に各報道機関によって報じたニュースに起因しているようです。

報道の内容を要約すると、「スーパーコンピューター『富岳』によって、コロナ治療薬の候補となり得る薬剤が同定され、その中にサナダムシ駆除薬があった」という趣旨のものでした。

候補薬(物質)の同定は、大変期待値が高まる情報ですね。しかし、この報道内容はあくまでも「可能性」を示しただけであり、その後このサナダムシ駆除薬に関する追加の報道はなく、現時点でコロナに対する承認も得ていなければ、開発(臨床試験)も行われていない状況です。

にもかかわらず、同剤の売り上げは例年にないほど伸びているそうです。報道から1年以上が経ち、開発が進んでいないにも関わらず、です。

その理由は大きく分けて2つあると考えられます。

1つ目は、SNS上でいわゆる“バズった”状態になっていること。8月に入ってから同剤に関する話題が(注意喚起の投稿も含め)爆発的に増えていました。それまで一部の話題にとどまっていた情報がSNSを介して増幅・拡散したと推測されます。

2つ目は、同剤が薬局で購入可能な一般用医薬品(OTC医薬品)であるということ。仮に、期待される薬剤があったとしても、それが処方薬であれば一般生活者は手を出すことができません。OTC医薬品の手軽さが、本件では仇となってしまいました。

最後に、8月25日現在で新型コロナウイルス感染症に対する承認を得ている薬剤は「レムデシビル」「バリシチニブ」「カシリビマブ/イムデビマブ」の3つです。また、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き」には、ステロイド薬のデキサメタゾンも治療薬として記載されています。

現在承認済みまたは使用可能な薬剤の最新情報は、下記厚生労働省のページにまとめられています。併せて、現時点で承認を有しない薬剤の開発状況についても記載があります。もし、SNS上や巷で気になる情報を見かけたら、こちらを確認してみるのがよいでしょう。

厚生労働省 新型コロナウイルス感染症について「治療薬、ワクチン、医療機器、検査キットの開発について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/covid-19tiryouyaku_vaccine.html

茂木 孝裕

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