2016年4月15日(金)17時から、「文藝春秋 新館8階」株式会社ジェイ・ピーアール セミナールームにて「第11回肺がん医療向上委員会」が開催されました。今回は肺がん医療向上委員会副委員長の澤祥幸先生のご講演に加え、特別講演として肺がん患者である山岡鉄也さん(日経BP社)、長谷川一男さん(肺がん患者の会ワンステップ!代表)のお話がありました。
簡単にではありますが、内容のレポートを致します。
■澤祥幸先生
『医療者・社会と共に、患者が変える肺がん医療』
肺がん医療向上のための京都宣言にもあるように、企業、患者会、メディア、国、医療者らが連携を散りながら患者中心の医療を目指していくべきであるという事についてお話をされていました。印象的だったお話では、山岡さんや、長谷川さんのように患者自身がより良い医療のために熱心な活動をしているが、その活動を支援してくれる企業がとても少ない、このような現状を良くしていく支援や活動も肺がん医療向上委員会では行っていきたいとのことでした。
■山岡 哲也さん(日経BP)
山岡さんは昨年の世界肺癌学会でAdvocates Travel Awardを受賞されております。また同会のペイシェントアドボケートコミッティーのメンバーとして参加をされており、そのご経験についてお話をされていました。
海外では日本に比べて患者中心医療は進んでいて、学会にも患者が無料で参加できるなど、日本もこのようになれば良いなと思いました。(薬機法などの規制で簡単ではないのですが・・・)
ペイシェントアドボケートコミッティーの活動としては、患者主体で意思決定、医療者との双方コミュニケートに活用できるプロバイダーペイシェントカードの作成、また今後の活動としては「Right treatment for Patient」をテーマとした調査プロジェクトを行っていく予定だそうです。メッセージとして、「正しい治療を受けるためには、正しい患者になるべきではないか?そのためには患者としてやるべきこともある。」そのようなことを感じました。
■長谷川一男さん(肺がん患者の会ワンステップ!代表)
長谷川さんはオンコロな人にもご協力頂いております。また、患者会代表やJLCA(日本肺がん患者連絡会)の立ち上げに関わるなど精力的な活動をされています。患者会が目指すこととして「医療者・社会とともになって患者が医療をより良いものにする」を挙げられております。
3つの方針として、1仲間がいる、2患者力アップ、3アドボカシー(政策提言)があるとのことです。
1の仲間とは医療者・マスコミ・企業・製薬・行政を含んだもので、皆が同じ方向を向いて共同していけるはずとのことでした。
2の患者力については自身の体験から、患者も勉強していかなければ、情報にたどり着けない、たどり着いても理解ができない。そのような状況を変えるためにも大切であるとのことでした。
3としては新薬早期承認の要望書を提出するなど、実際に肺がん学会とともに行ってきており、今後も続けていきたいとのことでした。
講演後、2人からの言葉がありました。、
「肺がんの患者会は継続が難しい・・・。でも大切である。継続をできるものを作りたい」「皆体調と相談しながらやっている。元気な人にも入ってきてもらいたい!」
「継続が難しい」この言葉の意味を理解したとき、私は「自分も出来る限りのことを頑張りたい」そう強く感じました。
最後には、プロフットサル選手で肺がん患者の久光さんのコメントがありました。
「メディアの皆さん。正しい情報発信。前向きな情報発信をお願いします!」そうおっしゃっていました。
全体を通しての感想として、「誰か」ではなく一人一人が、社会全体の問題として考え、良い医療を目指していかなければならない。それぞれがそれぞれの立場で出来ることを協力してやっていくことが大切であると感じました。
オンコロにも果たすべき重要な役割があると思っています。しっかり頑張っていきたいと思います。
記事担当HAMA