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膵臓がんの放射線療法

  • [公開日]2017.10.13
  • [最終更新日]2019.03.22

目次

放射線療法について

化学放射線療法は抗がん剤と放射線照射を併用してがんの制御を目指す方法です。手術はできないけれども、がんがすい臓と周囲のリンパ節にとどまっている局所進行がんでは化学放射線療法も選択肢の1つになります。

がんがすい臓とその周囲のリンパ節にとどまっているけれども、手術でがんを取り除くことが難しい局所進行すい臓がんでは、化学放射線療法か薬物療法(化学療法)のどちらかを選ぶことになります。放射線療法単独と比べると化学放射線療法のほうが効果は高いものの、化学療法単独と比べて有効性安全性が高いかは結論が出ていません。

すい臓がんの化学放射線療法では、S-1や5-FUといったフッ化ピリミジン系抗がん剤、またはゲムシタビンと、体の外からの放射線照射を併用します。放射線療法は病変とその周囲に放射線を照射し、がん細胞を死滅させる治療法です。痛みや熱さを感じることはありません。化学放射線療法は初回の化学療法のときに入院する場合がありますが、通院治療で実施されることが多くなっています。

化学放射線療法にはいくつか方法がありますが、S-1との併用療法では、1日1.8グレイ(Gy:放射線量の単位)の放射線を28回、あるいは1日2グレイを25回、合計50グレイ程度照射します。S-1は放射線照射中、毎日2回、40mgずつ服用します。

ゲムシタビンとの併用療法では、放射線1日1.8グレイまたは2グレイずつ合計45~54グレイ照射し、少量(250~600mg/㎡)のゲムシタビンを週1回併用します。また、1回2.4グレイを計36グレイ照射し、高濃度のゲムシタビン(1000mg/㎡)の投与を週1回6週間併用する方法やその他にもいくつかの方法があります。

放射線を少しずつ長期間照射するのは、正常細胞への影響を最小限にしつつ、がんを芯までたたくためです。放射線療法の副作用には、胃や小腸からの出血、吐き気、下痢、倦怠感、食欲低下などがあります。

副作用がひどくなったときには化学放射線療法を中止します。すい臓がんでは頻度が少ないですが、骨転移の痛みの軽減と骨折予防にも放射線を患部の外から当てる放射線療法が有効です。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが2017年10月に出版した「もっと知ってほしい膵臓がんのこと」より抜粋・転記しております。

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