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膵臓がんの治療法

  • [公開日]2017.10.13
  • [最終更新日]2019.03.22

目次

膵臓がん治療について

すい臓がんの治療には、手術、薬物療法(化学療法)、化学放射線療法があります。治療法は病期とがんの広がり方、患者さん本人の希望、全身状態、年齢によって決まります。すい臓がんでは、がんがすい臓より外へ広がっていなければ、可能な限り手術を行います。

手術でがんをすべて取り除ければ治癒する可能性が高くなります。手術ができるかどうかは、病期、がんの広がり方、リンパ節やほかの臓器への転移の有無、患者さん自身の希望や全身状態、年齢によって総合的に判断されます。

0期、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、Ⅳa期で切除可能と診断された人は、手術でがんを取り除き、その後、体の中に残っているかもしれない微小ながん細胞をたたくために薬物療法(化学療法)を受けるのが標準治療です。すい臓がんは、周囲のリンパ節やほかの臓器に転移しやすいがんなので、病変が小さい場合でも手術と薬物療法を組み合わせた治療が不可欠です。

標準治療は、国内外の複数の臨床試験の結果をもとに専門家の間で検討され合意が得られている、現時点で最も効果が高い最善の治療法です。すい臓がんの治療については、日本膵臓学会が、「膵癌診療ガイドライン」を作成し標準化しています。

Ⅳa期で切除ができないと診断された人など、病変がすい臓周辺にとどまっている局所進行がんの場合は、化学放射線療法または化学療法を行います。これまでの臨床試験の結果では、どちらも効果が同程度と考えられるため、化学療法を受ける患者さんが多い傾向があります。

すい臓から離れたリンパ節やほかの臓器に転移があるときには抗がん剤を使った薬物療法を実施します。薬物療法は効果がみられる間は、継続して行います。膵管がんと神経内分泌腫瘍とでは、効果のある抗がん剤が異なります。どちらのタイプのがんなのかを見極めて治療法を選択するためにも、画像診断と病理診断の役割は重要です。

今のところ標準治療ではありませんが、周囲の血管やリンパ節に転移のあるⅣa期の人に対しては、手術の前に抗がん剤を投与する術前化学療法を臨床試験として実施している病院もあります。抗がん剤がよく効いてがんが取り除けるくらい縮小した場合には、薬物療法の後に手術が行われるケースもあります。

すい臓がんでは、診断時、治療中、あるいは治療後に黄疸、腹部の痛み、栄養障害などの症状が出る場合があります。そういった症状の改善やコントロールを行う治療は、患者さん本人がこれまで通りの生活を続け、手術、薬物療法をスムーズに進めるうえでも大切です。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが2017年10月に出版した「もっと知ってほしい膵臓がんのこと」より抜粋・転記しております。

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