塩野義製薬の「がんペプチドワクチンS-588410の食道がん患者を対象とした術後補助化学療法(手術後に再発を防ぐために使用する薬剤療法)の第3相試験」が開始しました。
がんペプチドワクチンはがんに対する免疫療法の1つです。がん細胞が持つタンパク質の一部分(ペプチド)を人工的に合成したものとなり、それを投与して免疫細胞に覚えさせることでがん細胞に対する免疫を惹起(活性化)させることが期待できます。
S-588410は5種類のペプチドワクチンから構成されており、塩野義製薬がオンコセラピー・サイエンスから導入した薬剤となります。
この試験は、手術後にリンパ節転移が認められた患者に対してS-588410またはプラセボ(偽薬)のどちらかを使用して、効果を確認する試験となります。S-588410かプラセボを12週まで1週間に1回、それ以降2週間に1回使用し、最大94週間使用します。目標参加者数は270人です。
主な適格性は以下の通りです。
・20歳以上
・術前補助療法(手術前の薬剤治療)を実施した食道がんに対して根治的な手術を実施した方
・病理組織学的に(顕微鏡でリンパ組織を観察した結果)、リンパに節転が確認された方
・HLAのタイプががHLA-A*24:02の方(効果があると期待される方)
・ECOG PSが0~1の方(全身状態が比較的良好な方)
・治験期間中に抗がん剤や分子標的薬など他のがんに対する治療薬使用する可能性がない方
*UMINより転載(意訳です。正確な情報は以下をご覧ください)
UMIN試験ID:UMIN000016954(情報ソースに飛びます)
<オンコロスタッフコメント>
このワクチンは、抗原提示細胞という「敵を認識してT細胞などの免疫細胞にそれを知らせる細胞」に『がん細胞は敵ですよっ!!』と知らせるきっかけを与える薬剤です。興味がある方は情報ソースをご覧ください。
(関連会社との利益相反はありません)
カチ