オンコロの可知です。
本日、みなさんにお知らせがあります。
この度、オンコロジー(腫瘍学)領域に強みを持つ開発業務受託機関(CRO)の株式会社インテリム(以下、インテリム社)と共同で『がん用語辞典』を作成していくこととなりました。
目次
がん用語辞典が必要
オンコロは、今まで患者さんが知ることが難しかった臨床試験(治験)の情報、学会で発表された情報および医学論文情報を掲載してきたと自負しております。
しかしながら、こういった情報の内容は非常に難しいです。
我々も、なるべくわかりやすくしようと努めてきましたが、「患者さんの満足されるようになっているか?」といえばそうでもありません。
「どうして?」
結局、難しいままなんです・・・
内容が難しい理由の1つに、「『単語』がわからない点」があると思っています。
よって、オンコロに『がん用語辞典』の枠を設けて少しずつ更新して参りましたが、マンパワー不足でなかなか進まないのが悩みでした。
「何人もの協力者が必要」
これが課題でした。
製薬関連職が作るがん用語辞典に向けて
一方、オンコロ構成段階から、「現役の製薬関連職業の方にオンコロのコンテンツご作成を協力頂けないだろうか?」と考えていました。
その願いは一部実現しており、個人的な知り合いやオンコロに直接志願して頂いた方をはじめ、現役オンコロジーMR(営業職)、CRA(臨床開発職)およびMS(医薬品卸職)等の方から部分的にご協力頂いています。
しかしながら、仕事がある中でご協力いただいているため、なかなかコンテンツが増えるわけではありません。
「もっと、強固な関係でお願いできないだろうか?」
そこで、アプローチしたのがインテリム社となります。
ずっと注目していたインテリム社
知る人ぞ知るインテリム社は、オンコロジー領域に強みを持つCROですが、その『強み』というのが突出しています。
私自身、以前はオンコロジー特化型CROであるナイフィックス(現在、アイコン・ジャパンに統合)という会社におりましたので、インテリム社の動向もチェックしておりました。
CROとは正式には開発業務受託機関といいます。要するに、製薬会社の臨床試験(治験)のマネージメント業務の全般または一部を請け負っている会社のことを指します。
そのため、CROは多くのCRAをかかえていますが、CRAの主な仕事は治験を実施している病院に赴き、治験に参加された患者さんのカルテと治験医師や治験コーディネーターが転記したデータが正しいかどうかを確認することです。
よって、オンコロジーCRAは高度ながん知識を有する必要があり、そのために日々知識を磨いています。(多分・・・)
私自身、毎週1回文献抄読会を実施して仲間とともに医学文献に対するディスカッションを行ったり、参加した学会(日本臨床腫瘍学会など)の発表をフィードバックしたり・されたり、気になる医学情報関連のニュースを共有しては意見を言い合ったり、それらから得た情報でわからないことは治験医師に意見を聞いたりしていました。
実は、これがオンコロ上の『臨床試験情報』や『ニュース』の概念となり、やっていることは昔も今も変わりません。ただ、それを個人または仲間内だけで共有するか、世に発信するかの違いです。
ただし、悲しいことに、CROには社風があり、そういったことが許される会社、許されない会社があります。要するに、学会参加や文献購読予算がつけられていないために、実施しようにも実施できない会社もあるのです。(というか、殆どの会社が許されていないと聞いています)
インテリム社と共同で作る「がん用語辞典」
話を元に戻します。
インテリム社は、オンコロジーに力を入れておられます。
受託の殆どがオンコロジーの治験であることは勿論のことですが、他CROと違う点は日本臨床腫瘍学会の元理事長である西條長宏先生が顧問として毎週オフィスに来られたり、従業員が米国臨床腫瘍学会(ASCO)を始め様々な主要学会に研修に行ったり、かなり難しいテストをパスした人が認定されるオンコロジースペシャリスト&エキスパート認定制度があることです。また、近年は製薬会社向けのオンコロジー分野のセミナーや研修なども行っているようです・・・
そんな、インテリム社に「がん用語辞典を一緒に作りませんか?」と厚かましいお願いをしたところ、快諾頂き、がん情報を患者さんやそのご家族、一般の方々へわかりやすく伝える重要性にご賛同いただき、協力いただける運びとなりました。今後、インテリム社の協力のもと単語数を増やすのと同時に、ニュース記事中の単語へ自動リンクされるような仕組みを考えています。
その他、希少がんの治験の患者募集として「オンコロ」を活用する利点を理解いただき、受託する希少がんの治験に関して「オンコロ」を活用してもらうように製薬企業へ積極的に打診頂けるようです。我々としても非常にありがたいことですし、希少がんの患者さんへより多くの情報を届けることができればと思っています。
以上、正直な私の気持ちを文章にさせていただきました。
今後、より良い『がん医療』の実現のために我々なりに進んでいければと思っていますので、宜しくお願いします。
記事:可知 健太(オンコロ統括)