7月28日、MSD株式会社は9つのHPV型に対応した「組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(以下、9価HPVワクチン;海外商品名ガーダジル9)」の製造販売承認申請したと発表しました。
9価HPVワクチンは、従来の組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(商品名:ガーダシル)が対応している4つのHPV型(6、11、16、18型)に、新たに5つのHPV型(31、33、45、52、58型)が加わったものです。
これら9つのHPV型のうち、HPV16、18、31、33、45、52、58型は、子宮頸がん、外陰がん、腟がん、肛門がんなどの原因となることが知られており、これらの7つの型で子宮頸がんの原因の約90%を占めています。
このたびの承認申請は以下に対する予防を効能・効果として申請しています。
・子宮頸がん(扁平上皮細胞がんおよび腺がん)およびその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍ならびに上皮内腺がん)
・外陰上皮内腫瘍
・腟上皮内腫瘍
・尖圭コンジローマ
日本を含む既に発売しているガーダジルと9価HPVワクチンを検証する第3臨床試験での有害事象の報告頻度は、ガーダシルとほぼ同程度でしたが、腫脹や疼痛など接種部位の有害事象はガーダシルより高いものとなったとのことです。なお、これら有害事象の多くは重症度が軽度あるいは中等度でした。
9価HPVワクチンは、2014年12月に世界で初めて米国で承認されて以来、2015年2月にカナダで、2015年6月にEUとオーストラリアで承認されています。
【子宮頸がんについて】
本では、毎年約10,000人の女性が新たに子宮頸がんにかかり、約3,000人が亡くなっています。また、発症年齢が出産や働き盛りの年齢と重なることもあり、治療によって命を取りとめても女性の人生に大きな影響を及ぼすことが多い疾患です。
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記事:可知 健太