「個人情報保護方針」及び「個人情報の取扱いについて」改訂のお知らせ

根治切除不能な悪性黒色腫 BRAF阻害薬タフィンラー / MEK阻害薬メキニスト 承認取得

  • [公開日]2016.04.05
  • [最終更新日]2017.06.30

3月28日、ノバルティス ファーマ株式会社は、ダブラフェニブ(タフィンラー®)およびトラメチニブ(メキニスト®)の2剤について、「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」の治療薬として、日本における製造販売承認を取得したと発表しました。「メキニスト」は「タフィンラー」との併用において、「タフィンラー」は単剤としても承認されています。

「タンフィラー」はBRAF(びーらふ)阻害薬、「メキニスト」はMEK(めっく)阻害薬となります。

BRAFは細胞増殖のシグナル伝達において重要な働きをするキナーゼタンパク質であり、BRAF V600遺伝子に変異が生じると、それによって活性化されたBRAFタンパクが同じ経路を構成するMEKタンパクを過剰に活性化し、がん細胞の増殖や転移を促進するシグナルが伝達されます。

日本の悪性黒色腫患者の約20~30%でBRAF V600遺伝子に変異が生じているものと推定されています。

BRAF阻害薬である「タフィンラー」は、上述のBRAFキナーゼ活性を阻害します。一方、アロステリックMEK阻害薬である「メキニスト」は、BRAFによるMEK1/MEK2の活性化とそのキナーゼ活性双方を選択的に阻害し、がん細胞の増殖を抑制します。この2剤を併用することで、BRAFキナーゼ活性とMEK1/MEK2活性を同時に阻害することができ、より強い抗腫瘍効果を発揮することが期待されています。

今回の承認は、以下の臨床試験結果を元に承認されています。

■海外第3相臨床試験(MEK116513-COMBI-v試験、MEK115306-COMBI-d試験、BRF113683-BREAK-3試験)
・BREAK-3試験において、「BRAF V600遺伝子変異陽性で切除不能または転移性の悪性黒色腫の患者」に対し、タフィンラー単剤療法が既存の化学療法に比べて優れた有効性をもつことが実証。
・COMBI-v試験およびCOMBI-d試験では、「タフィンラー」単剤療法またはベムラフェニブ(ゼルボラフ)単剤療法と比較して、「タフィンラー」と「メキニスト」併用療法での全生存期間OS)におけるベネフィットが実証。

■日本人を対象とした国内第I/II相臨床試験(MEK116885試験)
・MEK116885試験において、併用療法は国内の患者さんでも海外の患者さんと同様の有効性が期待できる結果が実証。

「タフィンラー」単独投与による主な副作用として、日本人を対象とした試験では脱毛症、発熱、関節痛(各50%)が発現しています。「タフィンラー」と「メキニスト」の併用時の主な副作用として、同試験では発熱(66.7%)、AST(GOT)増加(50.0%)、末梢性浮腫(50.0%)が報告されています。

ノバルティスファーマのプレスリリースはコチラ

記事:可知 健太

×

この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン