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ネクサバールによる前治療歴のある肝細胞がん適応で、米国にてオプジーボが迅速承認

  • [公開日]2017.09.24
  • [最終更新日]2017.11.13[タグの追加] 2017/11/13

2017年9月22日、ブリストル・マイヤーズ スクイブはソラフェニブ(商品名ネクサバール;以下ネクサバール)による前治療歴のある肝細胞がん(HCC)患者に対するニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)の迅速承認をアメリカ食品医薬品局FDA)より取得したことを自社のプレスリリースにて発表した。

迅速承認の根拠となった臨床試験はCheckMate-040試験(NCT01658878)で、本試験は肝細胞がん患者(N=154)に対してオプジーボ単剤療法を投与した第I/II相の多施設共同オープンラベルの試験である。主要評価項目は治療関連有害事象をはじめとした安全性忍容性以外にも、客観的奏効率ORR)、また副次評価項目としては奏効期間DOR)などオプジーボの有効性を検証する項目が設定されている。今回の迅速承認は本試験の客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)の結果によるものである。

本試験に登録された患者背景としては、年齢中央値63歳(19歳〜81歳)、前治療歴として全ての患者がネクサバール投与歴を有しており、19%の患者が2レジメン以上の化学療法の治療歴を有していた。また、オプジーボをはじめ抗PD-1/PD-L1抗体薬の効果予測因子とされるPD-L1発現レベル、B型肝炎/C型肝炎の発症の有無に関係なく患者が試験登録されている。

本試験の結果、オプジーボ単剤療法を投与された肝細胞がん患者の14.3%(N=22人,9.2%〜20.8%)で奏効を示し、完全奏効(CR)を達成した患者は1.9%(N=3人)、部分奏効(PR)は12.3%(N=19人)であった。また、奏効を示した患者14.3%(N=22人)の奏効期間(DOR)は3.2ヶ月から38.2ヶ月であり、6ヶ月以上の奏効期間を示した患者は91%、12ヶ月以上は55%であった。

オプジーボは進行肝細胞がん患者に対して年齢に関係なく奏効する WCGC2017(2017.07.19)

以上の有効性に基いて迅速承認を取得したことに対して、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の米国コマーシャル部門責任者のChris Boerner氏はこのような見解を出している。”何十年にも渡り限られた治療方法でしか治療を受けることができなかった肝細胞がん患者さんに対して臨床的意義のある免疫療法の治療を届けられることに誇りを感じています。本日は我々のミッション”アンメットメディカルニーズを満たす画期的な治療薬を届ける”を果たす上で重要な日です”

本試験の安全性についてはオプジーボを投与した154人の内20%以上の患者で治療関連有害事象が発症し、その内訳は疲労(38%)、筋骨格痛(36%)、腹痛(34%)、そう痒症(27%)、下痢(27%)、発疹(26%)、咳(23%)、食欲減退(22%)であった。治療関連有害事象によりオプジーボの投与が中止になった患者は11%、投与スケジュールが遅れた患者は32%であった。

また、重大な有害事象を発症した患者は49%で、グレード3/4のAST上昇18%(N=27人)、ALT上昇11%(N=16人)、ビリルビン上昇7%(N=11人)、コルチコイド(副腎皮質ステロイド)による治療を必要とする免疫介在性肝炎5%(N=8人)であった。

以上の客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)の有効性と安全性の結果より、ソラフェニブによる前治療歴のある肝細胞がん(HCC)患者に対するオプジーボ単剤療法の迅速承認をアメリカ食品医薬品局(FDA)より取得した。

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