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治療歴のある転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対するリムパーザ+デュルバルマブ併用療法、1年無増悪生存率(PFS)51.5%を示すASCO-GU2018より

  • [公開日]2018.02.14
  • [最終更新日]2018.02.14

2018年2月8日より10日までアメリカ合衆国・カリフォルニア州で開催されている米国泌尿器癌シンポジウム(ASCO GU2018)のポスターセッションにて、エンザルタミド(商品名イクスタンジ;以下イクスタンジ)、アビラテロン(商品名ザイティガ;以下ザイティガ)などの治療歴のある転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者に対するオラパリブ(商品名リムパーザ;以下リムパーザ)+デュルバルマブ(商品名Imfinzi)併用療法有効性を検証した第I/II相試験(NCT02484404)の結果がNational Cancer Institute・Fatima Karzai氏らにより公表された。

本試験は、イクスタンジ、ザイティガ、またはその両薬剤の治療歴のある、生検が可能である転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者(N=25人)に対して1日2回(12時間おきに)オラパリブ300mg+28日に1回の投与間隔でデュルバルマブ1500mg併用療法を投与し、主要評価項目である無増悪生存期間PFS)を検証したシングルアームの第I/II相試験である。なお、今回のポスターセッションでは25人の内17人の患者における結果である。

本試験に登録された患者背景は、年齢中央値66歳(45-79)、ベースラインPSA中央値79.67ng/mL(3.93-2356)、グリーソンスコアは7以下の患者5人、8-10の患者12人。病変を有する患者の内訳は骨病変のみを有する患者5人、骨病変に加え軟部組織/内臓病変を有する患者12人。前治療歴としては、イクスタンジ投与歴94%(N=16人)、ザイティガ投与歴65%(N=11人)、両薬剤の投与歴59%(N=10人)、化学療法歴65%(N=11人)であった。

以上の背景を有する患者に対してリムパーザ+デュルバルマブ併用療法を投与した結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は全患者群では16.1カ月、1年無増悪生存率(PFS)は51.5%(95%信頼区間:25.7-72.3%)、DNA損傷修復系遺伝子変異不明患者群では4.8ヶ月、DNA損傷修復系遺伝子変異を有する患者群では16.1ヶ月を示した。

そして、ベースラインより50%以上のPSA値減少は17の内8人の患者(47%)で確認され、この内DNA損傷修復系遺伝子変異を有する患者は6人であった。また、17人の内2人の患者はDNA損傷修復系遺伝子変異不明であったが、ベースラインより30%以上のPSA値減少が確認された。なお、骨病変のみを有する患者、骨病変に加え軟部組織/内臓病変を有する患者でもPSA値の減少は確認されている。

一方の安全性としては、グレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。貧血24%(N=4人)、リンパ球減少症12%(N=2人)、感染症12%(N=2人)、血小板減少症6%(N=1人)、白血球減少症6%(N=1人)、好中球減少症6%(N=1人)、吐き気6%(N=1人)、嘔吐6%(N=1人)、尿路感染症6%(N=1人)、高血圧6%(N=1人)、聴力障害6%(N=1人)、疲労6%(N=1人)、失神6%(N=1人)、口腔粘膜炎6%(N=1人)、筋肉衰弱および筋肉緊張6%(N=1人)の患者で確認された。

以上の第I/II相試験の結果よりFatima Karzai氏らは以下のように結論を述べている。”リムパーザ+デュルバルマブ併用療法は治療歴のある転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者さんに対しても忍容性が確認されました。今後は本治療に効果のあるバイオマーカーを解析する追加の試験が必要になるでしょう。”

A phase 2 study of olaparib and durvalumab in metastatic castrate-resistant prostate cancer (mCRPC) in an unselected population.(ASCO-GU2018,Abstract No.163)

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