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未治療のEGFR遺伝子変異陽性進行性非小細胞肺がん患者に対する一次治療としてのEGFR阻害剤イレッサ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用療法、イレッサ単剤療法に比べて無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を統計学的有意に改善する米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)より

  • [公開日]2018.06.20
  • [最終更新日]2019.02.15
この記事の3つのポイント
・NEJ009試験とは、未治療のEGFR遺伝子変異のあるステージIII/IVまたは再発非小細胞肺がん患者に対する一次治療としてEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるイレッサ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用療法とイレッサ単剤療法有効性を比較検証した第III相試験である
・本試験の主要評価項目である初回無増悪生存期間PFS1)中央値はイレッサ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用群20.9ヶ月に対してイレッサ単剤群11.2ヶ月、イレッサ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを統計学的有意に50.6%減少した
・本試験の主要評価項目である全生存期間OS)中央値はイレッサ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用群52.2ヶ月に対してイレッサ単剤群38.8ヶ月、イレッサ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用群で死亡(OS)のリスクを統計学的有意に30.5%減少した

2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、未治療のEGFR遺伝子変異のある進行性非小細胞肺がん患者に対する一次治療としてのEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブ(商品名イレッサ;以下イレッサ)+カルボプラチン+ペメトレキセド併用療法とイレッサ単剤療法の有効性を比較検証した第III相のNEJ009試験(UMIN000006340)の結果が仙台厚生病院呼吸器内科・中村敦氏らにより公表された。

NEJ009試験とは、未治療のEGFR遺伝子変異のあるステージIII/IVまたは再発非小細胞肺がん患者に対する一次治療として1日1回イレッサ250mg+カルボプラチンAUC5+ペメトレキセド500mg/m2併用療法を投与する群(N=169人)、または1日1回イレッサ250mg単剤療法を投与する群(N=172人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として初回無増悪生存期間(PFS1)、2回目の病勢進行までの期間(PFS2)、全生存期間(OS)などを比較検証した第III相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である初回無増悪生存期間(PFS1)中央値はイレッサ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用群20.9ヶ月(95%信頼区間:18.0-24.0ヶ月)に対してイレッサ単剤群11.2ヶ月(95%信頼区間:9.0-13.4ヶ月)、イレッサ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを統計学的有意に50.6%減少した(ハザード比:0.494,95%信頼区間:0.391-0.625,P<0.001)。

一方、2回目の病無増悪生存期間(PFS2)中央値はイレッサ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用群20.9ヶ月(95%信頼区間:18.0-24.0ヶ月)に対してイレッサ単剤群20.7ヶ月(95%信頼区間:17.9-24.9ヶ月)、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった(ハザード比:0.966,95%信頼区間:0.766-1.220,P=0.774)。

全生存期間(OS)中央値はイレッサ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用群52.2ヶ月に対してイレッサ単剤群38.8ヶ月、イレッサ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用群で死亡(OS)のリスクを統計学的有意に30.5%減少した(ハザード比:0.695,95%信頼区間:0.520-0.927,P=0.013)。

以上のNEJ009試験の結果がより中村敦氏ら以下のように結論を述べている。”NEJ009試験は、未治療のEGFR遺伝子変異のある進行性非小細胞肺がん患者に対する一次治療としてイレッサ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用療法とイレッサ単剤療法の有効性を比較した最初の第III相試験である。本試験の結果、イレッサ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用療法は2回目の病無増悪生存期間(PFS2)を延長しませんでしたが、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)ともに統計学的有意に改善しました。”

Phase III study comparing gefitinib monotherapy (G) to combination therapy with gefitinib, carboplatin, and pemetrexed (GCP) for untreated patients (pts) with advanced non-small cell lung cancer (NSCLC) with EGFR mutations (NEJ009).(ASCO 2018, Abstract No.9005)

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