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億万長者のエリソン氏、新時代のがん研究を率先オラクル社設立者 ラリー・エリソン氏

  • [公開日]2018.06.08
  • [最終更新日]2018.06.09

目次

2億ドルのがん研究支援

すい臓がんで亡くなったアップルの設立者スティーブ・ジョブズ氏と親友だったラリー・エリソン氏。オラクル設立者のエリソン氏の養母もがんで亡くなった。また、ジョブズ氏に先立つ10年前、エリソン氏の甥であるイリノイ州判事が前立腺がんに罹患したため、USC こと南カリフォルニア大学の腫瘍学の医師と親しい関係にあった。

その医師はがん治療で定評のあるデイビット・アグス教授だ。 がんで苦しむ身近な人たちへの思いから、エリソン氏はオラクル社の新製品説明など数々の講演で、しばしばがん研究の統計的データに関し言及することが多かった。

米ビジネス誌フォーブスによれば、世界で4番目に裕福な517億ドルの純資産があるとされるオラクル設立者のエリソン氏。彼は、数ある自宅のうちのマリブの家で日本食の朝食をアガス教授と食べていた時、がんの新しい治療法について話し合っていた。がんの治療には従来の研究だけでなく 物理、数学、工学、食事、生物など総合的なアプローチが必要だとアグス教授は語った。

エリソン氏は「どれくらいの費用がかかる?」と尋ね、同教授はしばらく考え「約2億ドル」と応えた。報道によればエリソン氏はその場で同意したという。彼にとって「お金はそれほど意味があるわけではなくがん研究の進歩を見たい」と述べたという。

ローレンス・J.エリソン研究所の設立

総合的にがん研究をしたいというアガス教授に2億ドルを寄付し、USC付属のローレンス・J.エリソン研究所(Lawrence J. Ellison Institute for Transformative Medicine)が設立された。その背景には親友のジョブズ氏のがん治療で、南カリフォルニアから北のベイエリアでのがん治療のためアグス教授をエリソン氏が自分のジェット機を運行させるなど尽力をつくしたにも関わらず、亡くなってしまったという悔恨の思いもあったに違いない。

現在、ローレンス・J.エリソン研究所ではがんの予防、検出、治療の研究で、栄養学者、物理学者、生物学者、数学者、工学士が日夜研究に励んでいるビバリー・ヒルズにある同研究所の正式名称はLawrence J. Ellison Institute for Transformative Medicine of USC。住所は9033 Wilshire Blvd, Suite 300 Beverly Hills, CA 90211でその電話番号は310-272-7640、ウェブサイトはhttps://ellison.usc.edu/だ。

がん治療への貢献はエリソン氏に限ったことだけではない。カリフォルニアのサンフランシスコでは最近がんが死因の第一要因となったため、がん撲滅の総合的かつ AI(人工知能を使った)新規の研究や寄付活動が更に進んでいる。

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