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再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に対するトレアキシン+リツキサン+抗CD79b抗体薬物複合体Polatuzumab Vedotin、全生存期間を1年以上延長する第60回米国血液学会(ASH)

  • [公開日]2018.12.07
  • [最終更新日]2019.02.15
この記事の4つのポイント
・移植ができない再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に対する第1/2相試験
・トラアキシン、リツキサン抗体薬物複合体Polatuzumab Vedotinを上乗せ
・トレアキシン、リツキサンの完全奏効は18%に対して、Polatuzumab Vedotinを上乗せにて40%に
・トレアキシン、リツキサンの生存期間中央値は4.7ヵ月に対して、Polatuzumab Vedotinを上乗せにて12.4ヵ月に

2018年12月1日より4日まで米国・サンディエゴで開催されている第60回米国血液学会(ASH)にて、造血幹細胞移植(HSCT)の適応のない再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(RRDLBCL)患者に対するベンダムスチン(商品名トレアキシン;以下トレアキシン)+リツキシマブ(商品名リツキサン;以下リツキサン)±抗CD79b抗体薬物複合体であるPolatuzumab Vedotin(DCDS4501A)併用療法有効性を比較検証した第Ib/II相のGO29365試験(NCT02257567)の結果がBritish Columbia Cancer Agency・Laurie H Sehn氏らにより公表された。

GO29365試験とは、造血幹細胞移植(HSCT)の適応のない再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(RRDLBCL)患者(N=80人)に対してトレアキシン+リツキサン+Polatuzumab Vedotin併用療法を投与する群(N=40人)、またはトレアキシン+リツキサン併用療法を投与する群(N=40人)に無作為に振り分けて、主要評価項目として独立評価委員会(IRC)評価による完全寛解率(CRR)、その他重要な評価項目として独立評価委員会(IRC)評価による客観的奏効率ORR)、全生存期間OS)、無増悪生存期間PFS)、奏効持続期間(DOR)などを比較検証したオープンラベルの第II相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である独立評価委員会(IRC)評価による完全寛解率(CRR)はトレアキシン+リツキサン+Polatuzumab Vedotin併用群40%(N=16人)に対してトレアキシン+リツキサン併用群18%(N=7人)、トレアキシン+リツキサン+Polatuzumab Vedotin併用群で完全寛解率(CRR)は高率であった(p=0.026)。

その他重要な評価項目である全生存期間(OS)中央値はトレアキシン+リツキサン+Polatuzumab Vedotin併用群12.4ヶ月(95%信頼区間:9.0ヶ月-未到達)に対してトレアキシン+リツキサン併用群4.7ヶ月(95%信頼区間:3.7-8.3ヶ月)、トレアキシン+リツキサン+Polatuzumab Vedotin併用で死亡(OS)のリスクを58%減少し(HR:0.42,95%信頼区間:0.24-0.75)、1年以上の全生存期間(OS)を示した。

無増悪生存期間(PFS)中央値はトレアキシン+リツキサン+Polatuzumab Vedotin併用群7.6ヶ月(95%信頼区間:6.0-17.0ヶ月)に対してトレアキシン+リツキサン併用群2.0ヶ月(95%信頼区間:15-3.7ヶ月)、トレアキシン+リツキサン+Polatuzumab Vedotin併用で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを66%減少し(HR:0.34,95%信頼区間:0.2-0.570,p<0.0001)、1年以上の全生存期間(OS)を示した。

客観的奏効率(ORR)はトレアキシン+リツキサン+Polatuzumab Vedotin併用群45%(N=18人)に対してトレアキシン+リツキサン併用群18%(N=7人)。奏効持続期間(DOR)中央値はトレアキシン+リツキサン+Polatuzumab Vedotin併用群10.3ヶ月(95%信頼区間:5.6ヶ月-未到達)に対してトレアキシン+リツキサン併用群4.1ヶ月(95%信頼区間:2.6-12.7ヶ月)を示した。

一方の安全性として、トレアキシン+リツキサン+Polatuzumab Vedotin併用群の治療関連有害事象(TRAE)は既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された治療関連有害事象(TRAE)はなかった。

以上のGO29365試験の結果よりLaurie H Sehn氏らは以下のように結論を述べている。”造血幹細胞移植(HSCT)の適応のない再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に対するトレアキシン+リツキサン+Polatuzumab Vedotin併用療法は全生存期間(OS)中央値は1年以上を示しました。”

Roche社プレスリリース

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