発熱、疲労、倦怠感が、オプジーボの副作用の事前兆候となり得る
2018年11月29日から12月1日に開催された第59回日本肺癌学会学術集会にて、国立がん研究センター中央病院の東山 量子氏によりニボルマブ(オプジーボ)の投与時のおける免疫関連有害事象が起こる前に、その兆候となる症状が認められる可能性が示唆された。
免疫関連有害事象(irAE)は、時に致命的な問題となり得る。しかしirAEの発症時期は様々であるため、早期発見が難しいことも少なくない。そこで、東山氏らは非小細胞肺がん患者におけるirAEの前兆としてのシグナル症状の意義を検討した。
2015年12月~2017年8月までにオプジーボを投与した非小細胞肺がん症例を対象に検討を行った。
オプジーボは2週間毎に3mg/kgで投与され、irAE発症を認めた時点から7日以前に出現した非特異的症状(発熱・疲労・倦怠感)をシグナル症状と定義した。
オプジーボ投与患者の年齢中央値63歳、オプジーボ開始からの観察期間中央値は275日、irAEは59名(29.5%)の症例に出現した。うち、シグナル症状は46名で生じ、うち38名でirAEが発現した。またシグナル症状が発現した7割の症例で1ヵ月以内にirAEが発症した。
発熱・疲労・倦怠感のうち、2つ以上の症状が発現した症例では全員、irAEが発現した。シグナル症状の中で発現頻度が高かったものは発熱と倦怠感であり、頭痛の頻度は低かった。シグナル症状とirAEの発症には関連が示された(P<0.01)。
このことは、シグナル症状に注意することで早い段階でirAEを警戒をし、早期マネジメントを行うことが可能となることを示唆した。
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