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進行肝細胞がんに対する初回治療としてのレンビマやネクサバール奏効患者では予後良好

  • [公開日]2019.01.29
  • [最終更新日]2019.12.06
この記事の3つのポイント
・肝細胞がんに対して、レンビマやネクサバール奏効患者に対する解析
・レンビマやネクサバール奏効患者は生存期間が延長する
・奏効しても予後に影響がない場合もあるが、今回のケースでは奏効した患者の予後は良好

2019年1月17日~1月19日まで米国・サンフランシスコで開催された消化器癌シンポジウム(ASCO GI 2019)にて切除不能肝細胞がん(HCC)に対する初回治療としてのレンバチニブ(商品名レンビマ;以下レンビマ)およびソラフェニブ(商品名ネクサバール;以下ネクサバール)による奏効は全生存期間OS)の独立した予後因子になり得るかどうかを検証した第3相のREFLECT試験(NCT01761266)におけるレトロスペクティブ解析結果が近畿大学医学部消化器内科・主任教授・工藤正俊氏らにより公表された。

REFLECT試験とは、Child-Pugh分類Aの切除不能肝細胞がん患者に対して1日1回レンビマ8~12mg単剤療法を投与する群(N=478人)、または1日2回ネクサバール400mg単剤療法を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間の非劣勢を比較検証した多施設共同非盲検下第3相試験である。

既に報告されている通り、本試験の主要評価項目である全生存のハザード比は0.92(95%信頼区間:0.79-1.06)、ネクサバールに対するレンビマの非劣勢が証明されている。また、奏効率はレンビマ群24.1%に対してネクサバール群9.2%を示している。

今回のレトロスペクティブ解析では、mRECIST評価により奏効率が完全奏効(CR)、部分奏効(PR)の場合には奏効患者、病勢安定SD)、病勢進行(PD)、不明の場合には非奏効患者として定義し、奏効と予後の関係を解析を実施している。

本解析の結果、全生存期間中央値は奏効患者群22.4ヶ月(95%信頼区間:19.7-26.0ヶ月)に対して非奏効患者群11.4ヶ月(95%信頼区間:10.3-12.3ヶ月)、奏効患者で死亡のリスクを39%(HR:0.61,95%信頼区間:0.49-0.76,P<0.001)統計学的有意に減少した。

以上のREFLECT試験におけるレトロスペクティブ解析結果より近畿大学医学部消化器内科・主任教授・工藤正俊氏らは以下のように結論を述べている。”切除不能肝細胞がん(HCC)に対する初回治療の奏効は、治療薬の種類に関わらず独立した予後因子であることが証明されました。”

Analysis of survival and objective response (OR) in patients with hepatocellular carcinoma in a phase III study of lenvatinib (REFLECT).(ASCO GI 2019,Abstract No.186)

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