・ザーコリ抵抗性のあるALK陽性非小細胞肺がん患者が対象の第2相試験
・次世代ALK阻害薬Ensartinib単剤療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率は52%を示し、評価可能であった脳転移を有する患者群の客観的奏効率は70%だった
2019年10月15日、医学誌『The Lancet Respiratory Medicine』にてクリゾチニブ(商品名ザーコリ;以下ザーコリ)抵抗性のあるALK陽性非小細胞肺がん患者に対する次世代ALK阻害薬であるEnsartinib単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03215693)の結果がSun Yat-sen University Cancer CenterのYunpeng Yang氏らにより公表された。
本試験は、クリゾチニブ治療後に病勢進行したALK陽性非小細胞肺がん患者(N=160人)に対して1日1回Ensartinib 225mg単剤療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として安全性などを検証したシングルアームオープンラベルの第2相試験である。なお、登録された160人の患者の62%(N=97人)で脳転移を有していた。
本試験の結果、評価可能であった患者群の主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は52%(N=76/147,95%信頼区間:43%–60%)を示した。また、評価可能であった脳転移を有する患者群の主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は70%(N=28/40,95%信頼区間:53–83%)を示した。
一方の安全性として、少なくとも1種類以上の治療関連有害事象(TRAE)を発症した患者は91%(145/160人)を示し、最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は皮膚障害56%(N=89人)、ALT上昇46%(N=74人)、AST上昇41%(N=65人)であった。
以上の第2相試験の結果よりYunpeng Yang氏らは以下のように結論を述べている。”ザーコリ抵抗性のあるALK陽性非小細胞肺がん患者に対する次世代ALK阻害薬Ensartinibは、脳転移を有する患者を含め良好な抗腫瘍効果を示しました。今後、Ensartinibの有用性を明らかにするためにさらなる臨床試験を実施していく必要があります。”
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