・肝機能が低下した進行肝細胞がん患者に対するオプジーボの有効性
・肝機能をあらわす指標のChild-Pugh Bのコホート結果
・病態コントロール率55.1%、奏効持続期間9.9ヵ月
2019年1月17日~1月19日まで米国・サンフランシスコで開催された消化器癌シンポジウム(ASCO GI 2019)にてChild-Pugh B(CPB)進行性肝がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のCheckMate040試験(NCT01658878)の結果が近畿大学医学部附属病院・消化器内科学・工藤 正俊氏らにより公表された。
CheckMate040試験とは、進行性肝がん患者に対して2週を1サイクルとして1日目にオプジーボ240mg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発症するまで継続投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)などを検証した第2相試験である。なお、今回公表された対象患者はChild-Pugh B(CPB)コーホートにおける結果である。
本試験の評価可能であった患者群(N=49人)における結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は10.2%(N=5/49人)、病勢コントロール率(DCR)は55.1%を示した。また、初回奏効期間(TTR)中央値は2.7ヶ月、奏効持続期間(DOR)中央値は9.9ヶ月を示した。
また、全生存期間(OS)中央値は全患者群7.6ヶ月、ソラフェニブ(商品名ネクサバール;以下ネクサバール)治療歴のない患者群9.8ヶ月、ネクサバール治療歴のある患者群7.3ヶ月を示した。
一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は51%(N=25/49人)を示し、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率は4.1%(N=2人)を示した。
以上のCheckMate040試験の結果より近畿大学医学部附属病院・消化器内科学・工藤 正俊氏らは以下のように結論を述べている。”Child-Pugh B(CPB)進行性肝がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法は持続的な奏効を示し、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率は高率でなかった。”
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