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イムブルビカ治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病患者に対するアカラブルチニブ単剤療法、客観的奏効率76%を示すblood advancesより

  • [公開日]2019.05.31
  • [最終更新日]2019.05.30
この記事の3つのポイント
・イムブルビカ治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病患者が対象の第1/2相試験
・アカラブルチニブ単剤療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率は76%で、忍容性も問題なかった

2019年5月14日、医学誌『blood advances』にてブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬であるイブルチニブ(商品名イムブルビカ;以下イムブルビカ)治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するBTK阻害薬であるアカラブルチニブ単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT02029443)の結果がHarold C. Simmons Comprehensive Cancer CenterのFarrukh T. Awan氏らにより公表された。

本試験は、イムブルビカ治療後に病勢進行した再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者(N=33人)に対して1日2回アカラブルチニブ100~200mg単剤療法を投与し、主要評価項目として治療関連有害事象(TRAE)発症率をはじめとした安全性、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間PFS)などを検証した第1/2相試験である。

本試験が実施された背景として、慢性リンパ性白血病(CLL)の標準治療であるイムブルビカは有効性が高いものの、その治療関連有害事象(TRAE)により9%~14%の患者は治療継続が困難になる。基礎試験にて、BTK阻害薬アカラブルチニブはイムブルビカ以上のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に対する阻害率を示している。以上の背景より、イムブルビカ治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するBTK阻害薬アカラブルチニブ単剤療法の有効性が検証された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は64歳(50-82歳)。性別は男性61%(N=20人)。ECOG Performance Statusはスコア1以下が97%(N=32人)。前治療歴中央値は4レジメン(2-13レジメン)。イムブルビカ治療期間中央値は12ヶ月(1-62ヶ月)。イムブルビカ治療終了時点より開始までの期間中央値は47日(3-331日)。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である安全性は、最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は下痢58%、頭痛39%、咳33%。また、最も多くの患者で確認されたグレード3/4の治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症12%、血小板減少症9%。アカラブルチニブの治療中止になった患者は10/33人、その主な治療中止原因は病勢進行4人、治療関連有害事象(TRAE)3人であった。

副次評価項目である客観的奏効率(ORR)は76%、奏効の内訳は完全奏効(CR)1人、部分奏効(PR)19人を示した。また、奏効を示した25人の患者における奏効持続期間(DOR)中央値は未到達、82%(95%信頼区間:59%-93%)の患者で12ヶ月以上の奏効持続率(DOR)を示した。また、無増悪生存期間(PFS)中央値は未到達、1年無増悪生存率(PFS)は83.4%(95%信頼区間:64.5%-92.7%)、2年無増悪生存率(PFS)は75.0%(95%信頼区間:54.2%-87.4%)を示した。

以上の第1/2相試験の結果よりFarrukh T. Awan氏らは以下のように結論を述べている。”イムブルビカ治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するBTK阻害薬であるアカラブルチニブ単剤療法は、高い抗腫瘍効果を示し、忍容性も問題ありませんでした。”

Acalabrutinib monotherapy in patients with chronic lymphocytic leukemia who are intolerant to ibrutinib(Blood Adv. 2019 May 14; 3(9): 1553–1562.)

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