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・前治療歴のない切除不能肝細胞がん患者が対象の第3相試験
・テセントリク+アバスチン併用療法の有効性・安全性を比較検証
・テセントリク+アバスチン併用群で死亡のリスクを42%統計学有意に改善
2019年11月22日、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社のプレスリリースにて前治療歴のない切除不能肝細胞がん患者に対する抗PD-L1抗体薬であるアテゾリズマブ(商品名テセントリク;以下テセントリク)+ベバシズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のIMbrave150試験の結果が公表された。
IMbrave150試験とは、前治療歴のない切除不能肝細胞がん患者(N=501人)に対して21日を1サイクルとしてテセントリク1200mg+アバスチン15mg/kg併用療法を投与する群(N=336人)、または1日2回ソラフェニブ(商品名ネクサバール;以下ネクサバール)400mg単剤療法を投与する群(N=165人)に2対1の割合で振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)を比較検証した多施設共同オープンラベルの第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はテセントリク+アバスチン併用群で未到達に対してネクサバール単剤群で13.2ヵ月(95%信頼区間:10.4ヵ月-未到達)、テセントリク+アバスチン併用群で死亡(OS)のリスクを42%(HR:0.58,95%信頼区間:0.42-0.79)統計学有意に改善した(P=0.0006)。
また、もう1つの主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はテセントリク+アバスチン併用群で6.8ヵ月(95%信頼区間:5.7-8.3ヵ月)に対してネクサバール単剤群で4.3ヵ月(95%信頼区間:4.0-5.6ヵ月)、テセントリク+アバスチン併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを41%(HR:0.59,95%信頼区間:0.47-0.76)統計学有意に改善した(P<0.0001)。
一方の安全性として、グレード3または4の有害事象(AE)発症率はテセントリク+アバスチン併用群で57%に対してネクサバール単剤群で55%、グレード5の有害事象(AE)発症率はテセントリク+アバスチン併用群で5%に対してネクサバール単剤群で6%それぞれ示した。
以上のIMbrave150試験の結果よりエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社Chief Medical Officer and Head of Global Product DevelopmentのLevi Garraway氏は以下のように結論を述べている。”前治療歴のない切除不能肝細胞がん患者に対する現在の標準治療であるネクサバール単剤療法に比べて、全生存期間(OS)を統計学的有意に改善した治療方法はここ10年にてテセントリク+アバスチン併用療法が初めてになります。”
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