・未治療の再発転移性非小細胞肺がん患者が対象の第3b相試験
・ファーストライン治療としてのオプジーボ+ヤーボイ併用療法の有効性・安全性を検証
・他試験で報告された全生存期間と同等の結果を示し、脆弱な患者集団に対しての有用性も確認
2019年12月11~14日、スイス・ジュネーブで開催された欧州臨床腫瘍学会 腫瘍免疫学シンポジウム(ESMO Immuno Oncology)にて、未治療の再発転移性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+抗CTL-4抗体であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)併用療法の有効性、安全性を検証した第3b相のCheckMate-817試験(NCT02869789)の結果がAix-Marseille UniversitéのFabrice Barlesi氏らにより公表された。
CheckMate-817試験とは、未治療の再発転移性非小細胞肺がん患者に対して2週を1サイクルとしてオプジーボ240mg+6週を1サイクルとしてヤーボイ1mg/kg併用療法を最大2年間または病勢進行するまで投与し、主要評価項目として治療関連有害事象(TRAE)、副次評価項目として全生存期間(OS)などを検証した第3b相試験である。
なお、本試験に登録された患者は2つのコーホートに分かれており、コーホートA(N=391人)はECOG Performance Statusスコア0-1の患者、コーホートA1(N=198人)はECOG Performance Statusスコア2、無症候性の脳転移、肝障害、腎障害、またはHIVを有する患者が登録されており、それ以外の患者背景は両群間で同等であった。
本試験のフォローアップ期間中央値21ヶ月(コーホートA)、14ヶ月(コーホートA1)の結果、全生存期間(OS)中央値はコーホートAで17.0ヶ月(95%信頼区間:14.7-22.4ヶ月)、コーホートA1で9.9ヶ月(95%信頼区間:7.0-13.7ヶ月)を示した。また、1年全生存率(OS)はコーホートAで60%、コーホートA1で47%を示した。一方の安全性として、治療関連有害事象(TRAE)の種類、発症率は両群間で大きな違いは確認されず、脆弱な患者集団であるにも関わらずコーホートA1の忍容性も問題なかった。
以上の第3b相のCheckMate-817試験の結果より、Fabrice Barlesi氏らは以下のように結論を述べている。”未治療の再発転移性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTL-4抗体ヤーボイ併用療法は、他の臨床試験で報告されている全生存期間(OS)と同等の結果を示し、脆弱な患者集団に対して有用性が確認されました。”
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