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RET融合遺伝子を有する進行性固形がん患者に対するRET阻害薬Pralsetinib、客観的奏効率は甲状腺がんで75%2020 ASCO VIRTUAL SCIENTIFIC PROGRAM

  • [公開日]2020.05.22
  • [最終更新日]2020.11.25
この記事の3つのポイント
・RET融合遺伝子を有する進行性固形がん患者が対象の第1/2相試験
・RET阻害薬Pralsetinib(BLU-667)単剤療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率は甲状腺がん群で75%、その他のがんの群で60%を示した

2020年5月29日~31日、バーチャルミーティングで開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO 2020)にてRET融合遺伝子を有する進行性固形がん患者に対するRET阻害薬であるPralsetinib(BLU-667)単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のARROW試験(NCT03037385)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer Center・Vivek Subbiah氏らにより公表される。

ARROW試験とは、RET融合遺伝子を有する進行性固形がん患者に対して1日1~2回Pralsetinib 30~600mg単剤療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)を比較検証した第1/2相試験である。本試験に登録された進行性固形がん患者の内訳は、甲状腺乳頭がん16人、未分化甲状腺がん1人、膵がん3人、大腸がん3人、その他6人である。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は甲状腺がん群で75%(9/12人)、その他のがん群で60%(N=3/5人)を示した。また、奏効持続期間(DOR中央値は甲状腺がん群で14.5ヶ月(95%信頼区間:3.7-16.8ヶ月)、その他のがん群(N=2人)でそれぞれ11.5ヶ月、19.3ヶ月を示した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード1~2の治療関連有害事象(TRAE)はAST上昇31%、貧血22%、ALT上昇21%、便秘21%、高血圧20%を示した。なお、治療関連有害事象(TRAE)を原因とする治療中止率は4%を示した。

以上のCITYSCAPE試験の結果よりDelvys Rodriguez-Abreu氏らは以下のように結論を述べている。”RET融合遺伝子を有する進行性固形がん患者に対するRET阻害薬Pralsetinib単剤療法は、非小細胞肺がん以外の進行性固形がんに対しても良好で持続的な抗腫瘍効果を示しました。”

Clinical activity of the RET inhibitor pralsetinib (BLU-667) in patients with RET fusion+ solid tumors.(2020 ASCO VIRTUAL SCIENTIFIC PROGRAM,Abstract No:109)

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