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再発/転移性皮膚扁平上皮がんに対するキイトルーダ単剤療法、客観的奏効率34.3%を示すJournal of Clinical Oncologyより

  • [公開日]2020.07.30
  • [最終更新日]2020.07.30
この記事の3つのポイント
・再発/転移性皮膚扁平上皮がん患者が対象の第2相試験
キイトルーダ単剤療法の有効性安全性を比較検証
・客観的奏効率34.3%を示す

2020年7月16日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて再発/転移性皮膚扁平上皮がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;キイトルーダ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のKEYNOTE-629試験の結果がAix-Marseille UniversityのJean-Jacques Grob氏らにより公表された。

KEYNOTE-629試験とは、再発/転移性皮膚扁平上皮がん患者に対して3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg単剤療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、病勢コントロール率DCR)、無増悪生存期間PFS)などを検証した第2相試験である。

再発/転移性皮膚扁平上皮がんの治療選択肢は非常に限られており、遠隔転移を有する皮膚扁平上皮がんの死亡率は70%を超える。以上の背景より、再発/転移性皮膚扁平上皮がん患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験のフォローアップ期間中央値11.4ヵ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は34.3%(95%信頼区間:25.3%-44.2%)、奏効の内訳は完全奏効率(CR)は4/105人、部分奏効率(PR)は32/105人を示した。

副次評価項目である病勢コントロール率(DCR)は52.4%(95%信頼区間:42.4%-62.2%)、奏効持続期間(DOR)中央値は未到達、無増悪生存期間(PFS)中央値は6.9ヵ月(95%信頼区間:3.1-8.5ヵ月)、全生存期間OS)中央値は未到達(95%信頼区間:10.7ヵ月-未到達)を示した。

グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は66.7%(N=70人)、最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は掻痒14.3%(N=15人)、無力症13.3%(N=14人)、疲労12.4%(N=13人)を示した。

また、グレード3~5治療関連有害事象(TRAE)発症率は5.7%(N=6人)、1人の患者が脳ニューロパチーで死亡した。なお、安全性プロファイルは既存の臨床試験で確認されている内容と一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)は確認されなかった。

KEYNOTE-629試験の結果よりJean-Jacques Grob氏らは「再発/転移性皮膚扁平上皮がん患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法は、持続的で臨床的意義のある抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。

Pembrolizumab Monotherapy for Recurrent or Metastatic Cutaneous Squamous Cell Carcinoma: A Single-Arm Phase II Trial (KEYNOTE-629)(J Clin Oncol. 2020 Jul 16;JCO1903054. doi: 10.1200/JCO.19.03054.)

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