11月11日、第468回厚生労働省中央社会保険医療協議会(中医協)総会が開催され、新薬9成分21品目の薬価収載を了承した。うち抗がん剤関連は、楽天メディカルジャパン株式会社のアルキャックスや武田薬品工業株式会社のゼジューラの2製品であった。なお、今回の薬価収載されたアキャルックスは世界初のがん光免疫療法の抗体薬物複合体である。
目次
アキャルックス
製品名:アキャルックス点滴静注250mg
一般名:セツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え)
適応症:切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌
薬価:102万6825円(250mg50ml/瓶)
会社名:楽天メディカルジャパン
アキャルックスはキメラ型抗ヒト上皮成長因子受容体(EGFR)モノクローナル抗体(IgG1)のセツキシマブと光感受物質の色素IRDye700DXを結合させた抗体薬物複合体からなる点滴静注用の注射剤。同剤と組み合わせて用いる医療機器レーザ装置「BioBladeレーザシステム」は、9月2日に製造販売承認を取得している。
ピーク時(10年後)の投与患者数は416人、販売金額は38億円と予測されている。
ゼジューラ
製品名:ゼジューラカプセル100mg
一般名:ニラパリブトシル酸塩水和物
適応症:卵巣癌における初回化学療法後の維持療法/白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法/白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌
薬価:1万370.20円(100mg/カプセル)
会社名:武田薬品工業
ゼジューラは、リムパーザ(一般名:オラパリブ)に続き、卵巣がんの適応を取得したPARP阻害剤。同剤は1日1回経口投与であり、一部の卵巣がんの遺伝的要因となっているBRCA遺伝子変異の有無にかかわらず使用できる特徴がある。
ピーク時(10年後)の投与患者数は26,000人、販売金額は196億円と予測されている。
・光免疫療法のアキャルックス、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部がんの適応で承認取得
・経口PARP阻害薬ゼジューラが卵巣がんの適応で承認を取得
参考資料:
中央社会保険医療協議会 総会(第468回) 議事次第
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