・複数治療歴のある転移性乳がん患者が対象の第3相試験
・utidelone(ウチデロン)+カペシタビン併用療法の有効性・安全性を比較検証
・全生存期間19.8ヵ月を示しカペシタビン単剤に対して統計学的有意に延長した
2021年1月18日、医学誌『Annals of Oncology』にて複数治療歴のある転移性乳がん患者に対するカペシタビン単剤療法、utidelone(ウチデロン)+カペシタビン併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のBG01-1323L試験における全生存期間(OS)のアップデート解析結果がChinese Academy of Medical Sciences and Peking Union Medical CollegeのB.Xu氏らにより公表された。
BG01-1323L試験とは、複数治療歴のある転移性乳がん患者(N=405人)を21日を1サイクルとしてutidelone30mg/m2(1~5日目)+カペシタビン1000mg/m2(1日2回、1~14日目)併用療法を投与する群とカペシタビン1250mg/m2(1日2回、1~14日目)単剤療法を投与する群に2対1の割合で振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)などを比較検証した第3相試験である。
本試験のアップデート解析が実施された背景として、初回解析では複数治療歴のある転移性乳がん患者に対するカペシタビン+utidelone併用療法はカペシタビン単剤療法に比べて無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)を統計学的有意に改善することが示されている。以上の背景より、BG01-1323L試験における全生存期間(OS)のアップデート解析が実施された。
本試験のフォローアップ期間中央値がカペシタビン単剤群で15.4ヵ月、utidelone+カペシタビン併用群で19.6ヵ月時点における結果は下記の通りである。全生存期間(OS)中央値はカペシタビン単剤群の16.0ヵ月に対してutidelone+カペシタビン併用群で19.8ヵ月と、utidelone+カペシタビン併用群で死亡(OS)のリスクが25%減少(HR:0.75、95%信頼区間:0.59-0.94、P=0.0142)した。
以上のBG01-1323L試験における全生存期間(OS)のアップデート解析結果よりB.Xu氏らは「複数治療歴のある転移性乳がん患者に対するカペシタビン+utidelone併用療法は、カペシタビン単剤療法に比べて全生存期間(OS)を改善しました。この結果はutidelone+カペシタビン併用療法を新たなレジメンとして使用することを支持するものになるでしょう」と結論を述べている。
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