・切除不能肝細胞がん患者が対象の第1/2相試験
・イミフィンジ+トレメリムマブ併用療法、イミフィンジ単剤療法、トレメリムマブ単剤療法の有効性・安全性を検証
・イミフィンジ1500mg+トレメリムマブ300mgレジメンの客観的奏効率は24.0%で最も有効な結果を示した
2021年7月22日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』に切除不能肝細胞がん患者に対する抗PD-L1抗体薬であるイミフィンジ(一般名:デュルバルマブ、以下イミフィンジ)+抗CTLA-4抗体薬であるトレメリムマブ併用療法、イミフィンジ単剤療法、トレメリムマブ単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT02519348)の結果がカリフォルニア大学のRobin Kate Kelley氏らにより公表された。
本試験は、ソラフェニブで病勢進行、不耐性を示した、もしくはソラフェニブを選択しなかった切除不能肝細胞がん患者(N=332人)に対して、いずれも4週を1サイクルとしてイミフィンジ1500mg+トレメリムマブ300mgを投与する群(N=75人)、イミフィンジ1500mg単剤を投与する群(N=104人)、トレメリムマブ750mg単剤を投与する群(N=69人)、イミフィンジ1500mg+トレメリムマブ75mg併用療法を実施した後イミフィンジ500mgを継続する群(N=84人)に振り分け、主要評価項目として安全性、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)などを検証した第1/2相試験である。
本試験の332人の患者における結果は下記の通りである。主要評価項目である安全性について、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率はイミフィンジ1500mg+トレメリムマブ300mg併用群37.8%、イミフィンジ1500mg単剤群20.8%、トレメリムマブ750mg単剤群43.5%、イミフィンジ1500mg+トレメリムマブ75mg併用群24.4%をそれぞれ示した。
副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はイミフィンジ1500mg+トレメリムマブ300mg併用群24.0%(95%信頼区間:14.9-35.3%)、イミフィンジ1500mg単剤群10.6%(95%信頼区間:5.4-18.1%)、トレメリムマブ750mg単剤群7.2%(95%信頼区間:2.4-16.1%)、イミフィンジ1500mg+トレメリムマブ75mg併用群9.5%(95%信頼区間:4.2-17.9%)をそれぞれ示した。
全生存期間(OS)中央値はイミフィンジ1500mg+トレメリムマブ300mg併用群18.7ヶ月(95%信頼区間:10.8-27.3ヶ月)、イミフィンジ1500mg単剤群13.6ヶ月(95%信頼区間:8.7-17.6ヶ月)、トレメリムマブ750mg単剤群15.1ヶ月(95%信頼区間:11.3-20.5ヶ月)、イミフィンジ1500mg+トレメリムマブ75mg併用群11.3ヶ月(95%信頼区間:8.4-15.0ヶ月)をそれぞれ示した。
以上の第1/2相試験の結果よりRobin Kate Kelley氏らは「切除不能肝細胞がん患者に対する抗PD-L1抗体薬イミフィンジ+抗CTLA-4抗体薬トレメリムマブ併用療法、イミフィンジ単剤療法、トレメリムマブ単剤療法の全てのレジメンで忍容性は問題なく、臨床的に良好な抗腫瘍効果を示しました。特に、イミフィンジ1500mg+トレメリムマブ300mg併用療法は最も効果的な抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。
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