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選択的エストロゲン受容体調整薬治療中に病勢進行した閉経前の進行性乳がんに対するレトロゾール+エベロリムス併用療法、無増悪生存期間を延長JAMA Oncologyより

  • [公開日]2021.09.10
  • [最終更新日]2021.09.08
この記事の3つのポイント
・選択的エストロゲン受容体調整薬治療中に病勢進行した閉経前のホルモン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者が対象の第2相試験
・レトロゾールにmTOR阻害薬エベロリムスを上乗せ投与した場合の有効性安全性を比較検証
無増悪生存期間はエベロリムス上乗せ群で19.4ヶ月を示し、レトロゾール単剤群の12.9ヶ月に対して統計学的有意な延長を示した

2021年8月26日、医学誌『JAMA Oncology』にて選択的エストロゲン受容体調整薬(SERM)治療中に病勢進行した閉経前のホルモン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者に対してレトロゾールにmTOR阻害薬であるエベロリムスを上乗せ投与した場合の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT02313051)の結果がChinese Academy of Medical Sciences & Peking Union Medical CollegeのYing Fan氏らにより公表された。

本試験は、閉経前のホルモン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者(N=199人)に対して1日1回レトロゾール2.5mg+1日1回エベロリムス10mg併用療法を実施する群(N=101人)、または1日1回レトロゾール2.5mg単剤投与する群(N=98人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)を比較検証した多施設共同オープンラベルの第2相試験である。なお、両群の患者は28日を1サイクルとして1日目にゴセレリン3.6mgを皮下投与している。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はレトロゾール+エベロリムス併用群の19.4ヶ月(95%信頼区間:16.3~22.0ヶ月)に対してレトロゾール単剤群で12.9ヶ月(95%信頼区間:7.6~15.7ヶ月)と、レトロゾール+エベロリムス併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを36%減少(HR:0.64、95%信頼区間:0.46~0.89、P=0.008)した。

また、レトロゾール単剤療法群のうち、57.1%(N=56/98人)はクロスオーバーしてエベロリムスが投与され、クロスオーバー後の無増悪生存期間(PFS)は5.5ヶ月(95%信頼区間:3.8~8.2ヶ月)であった。

以上の第2相試験の結果よりYing Fan氏らは「選択的エストロゲン受容体調整薬(SERM)治療中に病勢進行した閉経前のホルモン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者に対するレトロゾール+mTOR阻害薬エベロリムスの上乗せ投与は、無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に改善しました」と結論を述べている。

Effectiveness of Adding Everolimus to the First-line Treatment of Advanced Breast Cancer in Premenopausal Women Who Experienced Disease Progression While Receiving Selective Estrogen Receptor Modulators A Phase 2 Randomized Clinical Trial(JAMA Oncol. 2021 Aug 26;e213428. doi: 10.1001/jamaoncol.2021.3428.)

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