・治療歴のあるHER2エクソン20挿入遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺がん患者が対象の第2相試験
・チロシンキナーゼ阻害薬であるPoziotinib(ポジオチニブ)単剤療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率は27%と有効な抗腫瘍活性を示した
2021年9月22日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて治療歴のあるHER2エクソン20挿入遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺がん患者に対するチロシンキナーゼ阻害薬であるPoziotinib(ポジオチニブ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのYasir Y. Elamin氏らにより公表された。
本試験は、治療歴のあるHER2エクソン20挿入遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺がん患者(N=30人)に対して28日を1サイクルとしてPoziotinib(ポジオチニブ)16mg/日の用量で単剤投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)を検証したシングルアームの第2相試験である。
本試験に登録された患者における前治療歴の種類は、90%の患者でプラチナ系抗がん剤。前治療歴は2レジメン以上が53%。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。
主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は27%(95%信頼区間:12~46%)を示した。奏効持続期間(DOR)中央値は5.0ヶ月(95%信頼区間:4.0ヶ月~未到達)を示した。副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は5.5ヶ月(95%信頼区間:4.0~7.0ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は15ヶ月(95%信頼区間:9.0ヶ月~未到達)であった。グレード3で最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)発症率は皮膚障害が47%、下痢が20%であった。
以上の第2相試験の結果よりYasir Y. Elamin氏らは「治療歴のあるHER2エクソン20挿入遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺がん患者に対するチロシンキナーゼ阻害薬Poziotinib(ポジオチニブ)単剤療法は期待のできる抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。
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