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マイクロサテライト安定性BRAFV600E遺伝子変異陽性の転移性大腸がんに対するビラフトビ+アービタックス+オプジーボ併用療法、客観的奏効率45%を示すASCO-GI 2022

  • [公開日]2022.02.24
  • [最終更新日]2022.02.24
この記事の3つのポイント
・マイクロサテライト安定BRAFV600E遺伝子変異陽性の転移性大腸がん患者が対象の第1/2相試験
・ビラフトビ+アービタックス+オプジーボ併用療法の有効性安全性を検証
・客観的奏効率は45%を示し、試験開始前に事前設定した主要評価項目基準を達成した

2022年1月20日~22日、米サンフランシスコで開催された米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(ASCO-GI 2022)にてマイクロサテライト安定性(MSS)BRAFV600E遺伝子変異陽性の転移性大腸がん患者に対するBRAF阻害薬であるビラフトビ(一般名:エンコラフェニブ、以下ビラフトビ)+抗EGFR抗体薬であるアービタックス(一般名:セツキシマブ、以下アービタックス)+抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT04017650)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのVan K. Morris氏らにより公表された。

本試験は、マイクロサテライト安定性(MSS)BRAFV600E遺伝子変異陽性の転移性大腸がん患者(N=26人)に対して1日1回ビラフトビ300mg+14日を1サイクルとしてアービタックス500mg/m2+28日を1サイクルとしてオプジーボ480mg併用療法を実施し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、安全性を検証したシングルアームの第1/2相試験である。

本試験に登録された患者の年齢中央値は59歳(32~85歳)。性別は女性が54%(N=14人)。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は45%(95%信頼区間:23~68%)を示し、試験開始前に事前設定した主要評価項目基準を達成した。また、病勢コントロール率DCR)は95%(95%信頼区間:75~100%)を示した。その他評価項目である無増悪生存期間PFS)中央値は7.3ヶ月(95%信頼区間:5.5ヶ月~未到達)、全生存期間OS)中央値は11.4ヶ月(95%信頼区間:7.6ヶ月~未到達)を示した。

一方の安全性として、用量制限毒性DLT)は1人の患者でも確認されなかった。グレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は18%(N=4/22人)を示し、主なグレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)は大腸炎、斑状丘疹状発疹、白血球増加症、アミラーゼ/リパーゼ上昇であった。

以上の第I/II相試験の結果よりVan K. Morris氏らは以下のように結論を述べている。”マイクロサテライト安定性(MSS)BRAFV600E遺伝子変異陽性の転移性大腸がん患者に対するBRAF阻害薬ビラフトビ+抗EGFR抗体薬アービタックス+抗PD-1抗体薬オプジーボ併用療法は、良好な客観的奏効率(ORR)を示しました。これは新しい併用療法として免疫療法の役割を示唆するものです」と結論を述べている。

Phase I/II trial of encorafenib, cetuximab, and nivolumab in patients with microsatellite stable, BRAFV600E metastatic colorectal cancer.(2022 ASCO Gastrointestinal Cancers Symposium,Abstract No:12)

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