・治療歴のあるKRASG12C変異を有する非小細胞肺がん患者が対象の第1/2相試験
・Adagrasib(アダグラシブ)単剤療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率は42.9%、奏効持続期間は8.5ヶ月を示した
7月14日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にてプラチナ系抗がん剤もしくは抗PD-1抗体薬治療歴のあるKRASG12C変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する不可逆的かつ選択的にKRASG12C変異に結合するKRAS阻害薬であるAdagrasib(アダグラシブ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のKRYSTAL-1試験(NCT03785249)の結果がDana-Farber Cancer InstituteのPasi A. Jänne氏らにより公表された。
KRYSTAL-1試験は、プラチナ系抗がん剤、抗PD-1抗体薬治療歴のあるKRASG12C変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)患者(N=112人)に対して1日2回Adagrasib600mg単剤を投与し、主要評価項目として盲検独立中央判定(BICR)による客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性などを検証した第2相試験である。
フォローアップ期間中央値12.9ヶ月時点における本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である盲検独立中央判定(BICR)による客観的奏効率(ORR)は42.9%(N=48/112人)を示した。奏効持続期間(DOR)は8.5ヶ月(95%信頼区間:6.2-13.8ヶ月)、無増悪生存期間(PFS)は6.5ヶ月(95%信頼区間:4.7-8.4ヶ月)であった。また、フォローアップ期間15.6ヶ月時点における全生存期間(OS)は、12.6ヶ月(95%信頼区間:9.2-19.2ヶ月)を示した。
一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は97.4%、グレード1もしくは2の治療関連有害事象(TRAE)発症率は52.6%、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は44.8%であった。なお、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率は6.9%であった。
以上のKRYSTAL-1試験の結果よりPasi A. Jänne氏らは、「プラチナ系抗がん剤、抗PD-1抗体薬治療歴のあるKRASG12C変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する不可逆的かつ選択的にKRASG12C変異に結合するKRAS阻害薬であるAdagrasib単剤療法は、良好な抗腫瘍効果を示し、忍容性も良好でした」と結論を述べている。
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